「前立腺がん」について

　前立腺は、男性のみにある臓器です。膀胱の下にあり、栗の実のような形をしています。主な働きとして、精液の一部に含まれる前立腺液をつくっています。
 

前立腺がんの症状

　前立腺がんは、がん化した細胞が無秩序に前立腺で自己増殖することにより発症します。早期の前立腺がんは、多くの場合自覚症状がありませんが、症状としては「尿が出にくい」、「排尿の回数が多い」などが、挙げられます。進行した前立腺がんでは、隣接する膀胱や直腸にがん細胞が広がり、近くのリンパ節や骨に転移し、肺、肝臓などにも転移することがあります。また、排尿の症状に加え、血尿や腰痛などを発症することもあります。
 

前立腺がんは治る？

　前立腺がんは、早期に発見して適切な治療をすることができれば治癒します。国立がん研究センターが発表した「がん診療連携拠点病院等院内がん登録生存率集計」によると、がん治療後5年後生存率の最も高いがんが前立腺がんの98.8%でした。ステージ毎の生存率をみるとステージ1:100%、ステージ2:100%、ステージ3:100%、ステージ4:61.3%、全体で98.8%となっています。
 

定期的な検査を

　ただ、多くの場合で自覚症状が出ないため、早期発見には定期的な検査が肝心です。前立腺がんの検査には前立腺から分泌されるタンパク質PSAの血中濃度を測る血液検査、超音波、MRIなどの画像検査、施設によっては直腸内触診などがあります。
 
　排尿に関して気になる場合は、医療機関を受診しましょう。前立腺を含め、体の定期的なメンテナンスを心がけましょう。