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シンガポール不動産「耳寄り情報」

2019年4月23日

ピーク期間は2月~4月! 住まい探しのポイント

 毎年、旧正月明けから4月下旬までは日本人駐在員の住宅探しがピークを迎えます。日系企業の人事異動のほぼ半数がこの時期に集中するためで、家賃も通常期より5~10%程度上がります。住まい探しがちょっと大変なこの時期の注意点と今年の特徴をいくつか挙げてみました。

 

1.旧正月は困難な住まい探し

 当地ではお正月は旧暦で祝います。今年の公的祝日は、2月5日と6日ですが、実質的には2日から10日頃までは大半の地元企業、特に不動産や建設関係はほぼ休業します。当然、不動産探しは困難に。その反動もあり、旧正月明けの11日頃からは雪崩を打って住まい探しのピーク・シーズンが始まります。

 

2.2019年の住まい探しの注意点

 

1)懸念される住宅空室不足と賃料急騰

 右の「民間住宅の売買・賃貸価格」のグラフをご参照ください。ピンク色の折れ線グラフは売買価格の指数で、2017年央から急騰してい
ます。赤色の折れ線グラフは賃貸料の指数です。2013年第2四半期をピークとして緩やかに下げ続けてきた賃貸料も、2017年第3四半期には底を打ち、緩やかな反転上昇に転じました。ただし最近の再開発ブームで、特に今年は既存大型物件の取り壊しが目白押し。賃貸物件の需要急増(取り壊される物件所有者の賃貸物件への転入)と、賃貸物件総戸数の急減により、賃貸料の一時的急騰が懸念されています。空室率は急低下しており、現在6%ですが史上最低水準の5%台突入は必至のようです。

 

 

2)日本人に人気の地区も、拡散傾向に

 

 従来はリャンコート人気からリバーバレー地区の人気が高かったのですが、ドンキホーテの新規店舗展開や、地元大手スーパーFairPrice
の品揃えの充実、さらには明治屋のグレートワールド店の開業予定などにより、人気地区がより広い範囲に拡散する傾向が顕著になりつつあります。

 

3)見栄えより、家主の良し悪しが、最重要

 

 厳しい住宅環境の日本から来ると、シンガポールの物件は大変立派です。特に内装や家具が立派だと、それに圧倒されて契約してしまう日本人駐在員も多いのですが、もし、その家主さんが俗にいう“銭ゲバ”だったら、どうしますか?個人情報保護法の規制などもあり、家主の正確なプロフィールを事前に入手するのは難しいのですが、契約条件交渉での対応をみていれば、ある程度想像はつきます。 立派なアパートの内装や家具は、前の借主の敷金からむしり取った「涙と悲しみ」であることも往々にありますので、くれぐれもご注意を。

文=木村登志郎 (パシフィック不動産株式会社CEO、シンガポール宅建士)

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.342(2019年2月1日発行)」に掲載されたものです。

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