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ドクター・グリーンのワンポイント医療情報

2018年12月30日

牽引療法

 椎間板ヘルニアの治療には牽引療法が用いられることがあります。椎間板ヘルニアとは、背骨の骨と骨の間にあり、クッションの役割を果たしている軟骨(椎間板)が変性し、組織の一部が飛び出す(ヘルニア)ことをいいます。飛び出した椎間板の一部が付近にある神経を圧迫し、首や腕、腰や足に激しい痛みやしびれなどの症状を起こします。

 

牽引療法では、痛みのある部分をゆっくり引っ張っていき、椎間板や椎間関節の内圧を下げたり、椎間の隙間(椎間孔)を拡げることで神経への圧迫を緩和します。神経への圧迫が緩和されることで痛みがやわらぐ他、筋肉や靭帯などの血行が良くなる効果もあるため、慢性的な肩こりや腰痛が改善されることもあります。

 

 

 脊椎牽引1回あたりの治療時間は、10~20分ほどです。始めは週2、3回以上行い、症状が改善するに従い2~1回と減少させていきます。また、温熱療法など他のリハビリと組み合わせることもあります。

 

牽引療法は、椎間板ヘルニアの他、むち打ち損傷に代表される痛み(急性期以降)、神経症状(腕から手、腰から足にかけての疼痛や痺れ)、頚肩腕(けいけんわん)症候群(首や肩、腕などの慢性的なこり、痛みやしびれ)、坐骨神経痛などにも用いられることがあります。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.340(2018年12月1日発行)」に掲載されたものです。

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