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2014年1月1日

【第4回】ローリスクで資産を形成していくために必要な考え方とは?〈分散投資編〉

「分散投資」
ローリスクで資産を形成していくために必要な考え方

第3回のコラムでは、ローリスクで資産を形成していくために必要な考え方として、「複利」についてお話をさせていただきました。得られた利益を再投資して資産運用を行うことで、資産の増え方が加速度的に増していくこと、それが「複利」でしたね。

今回は、ローリスクで資産を形成していくために必要なもう一つ考え方である、「分散投資」についてお話していきたいと思います。

 

 

タマゴは一つのカゴに盛るな!
「分散投資」という考え方

資産運用の格言の一つに、“タマゴは一つのカゴに盛るな”という言葉があります。

タマゴを目的地へ運ぶときに、一つのカゴに全てのタマゴを盛って運ぶと、そのカゴを落としてしまったときに全てのタマゴが割れてしまい、台無しになってしまいます。

しかし、タマゴを複数のカゴに分けて盛ることで、カゴを落としてしまったときでも、それ以外のカゴのタマゴは無事に目的地に運ばれることになります。

つまり、「大事なタマゴ=お金」を「複数のカゴ=複数の金融商品」に分散することで、「全てのタマゴが割れる=致命的な損失が出る」というリスクを軽減させることができる、ということを“タマゴを一つのカゴに盛るな”という言葉で表現しているのです。

そして、この考え方のことを「分散投資」といいます。

この「分散投資」には、3つの手法があります。

1.投資先の分散投資

資産運用では、どんなに良い投資先だと思っても、1つの投資先だけに資金を集中させることはとても危険なことです。何かあったときに、せっかく投資した資金をすべて失うことにもなりかねません。

ですから、投資先を分散して投資することは、リスクを軽減する上でとても大切です。

例えば、株式に投資する場合、その投資先の企業が潰れると、その株式の価値はなくなってしまいます。そこで、1社の株式に全ての資金を投入するのではなく、5社など複数の株式に分散して資金を投入する手法をとることで、リスクの軽減を図ることができます。

この手法を「投資先の分散投資」と言います。

2.投資商品の分散投資

投資商品には、日本株式・外国株式・日本債券・外国債券・外貨・円貨・金や不動産などの実物資産・・・といった様々なものがあります。

その中で、例えば、株式が上がるときは債券が下がりやすく、債券が上がるときは株式が下がりやすい、という相関関係を元に、値動きが逆になる傾向を持つ投資商品を組み合わせることで、リスクの軽減を図ることができます。その他にも、外貨と円貨、日本債券と外国債券などの投資商品の組み合わせで分散する手法などもあります。

リーマンショックのときは、国内外の株式も債券も一斉に下がったにも関わらず、金の価格だけは大きく上昇したといったことも起きました。

国内外の国や地域、株式や債券など商品、円やドルなどの通貨に分けて投資をすることでリスクの分散を図るというこの手法を「投資商品の分散投資」と言います。

3.時間の分散投資

分散投資には、“投資する時間を分散する”という手法もあります。

第2回のコラムでも少し触れましたが、投資の基本は、「安く買って、高く売ること」です。

しかし、今買ったものが、その後に値下がりするのか値上がりするのかは分からないため、常に「安く買う」ことはプロ投資家も含めて極めて困難なことです。

そこで、一度に全ての資金を投入するのではなく、毎月決まった金額を積立で投資する「積立投資」を行うことで、高いときには少しの口数しか購入せず、安いときには多くの口数を購入することができます。

これによって、投資対象の購入価格を平準化することができ、「高く買って、安く売る」という高値掴みを回避することができるわけです。

これら「投資先の分散投資」・「投資商品の分散投資」・「時間の分散投資」という3つの分散投資手法を用いることで、ぜひローリスクで資産を形成していきましょう。

次回(2月17日発行予定)は、「円安トレンドのときに有効な資産運用方法」についてお伝えします。

mikataaプロフィール

三方 麻琴(Mikata Makoto)

M&R Partners Pte. Ltd. Managing Director

– Official site: http://mikatamakoto.jp

– Official blog: http://mikatamakoto.jp/blog.html

– Official mail magazine: http://mikatamakoto.jp/mailmaga.html

※この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.249(2014年01月01日発行)」に書ききれなかった内容・補足をご紹介しています。

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