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シンガポールモザイク

2013年4月15日

アクセサリーから覗いた、マレー・中華・インド文化

金、銀などの貴金属の持つ光沢や、ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドなど色とりどりの宝石が放つ輝きに魅了されるのは、老若男女問わず万国共通。純度が高いものやサイズが大きなものほど高価で、富の象徴として使われるのも、やはり同じであるようです。そこで、むしろ一般の人々が普段から愛用するアクセサリーにお国柄ならぬ各民族の違いが見えてくるのでは、という仮説のもと、3つのアクセサリーショップを訪れてみました。

 

Malay〈マレー系〉 幾何学的な文様を透かし彫りなどで繊細に表現

イースト地区でマレー系の人々が多く集うショッピングセンター、ジューチャット・コンプレックス(Joo Chiat Complex)。その中にあるダン・シアン・トレーディング(Dang Siang Trading)というアクセサリーショップを訪ねてみました。

 

カウンターのケースの中にずらりと並んでいるのは、主に女性用のバングルや指輪など。いずれも金色で、動物や植物などをモチーフにした文様や幾何学文様が施されています。ムスリム文化とも深く結びついたデザインです。

 

店主のチャン(Chang)さんによると、同店は創業50年の老舗。顧客の80%はマレー系の人々だそうです。「マレー系の女性のアクセサリーはほとんど金色。結婚式の時は、特別にスカーフやショールを頭に巻いた上に金色の冠を載せます。男性は普段からシルバーの台を使ったストーンの指輪をはめる人が多いですね」。

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Chinese〈中華系〉 翡翠の美しさを生かしたシンプルなデザイン

 

オーチャード・ロードとタングリン・ロードの接続点にあるタングリン・ショッピング・センターは1971年に建てられた老舗ショッピングセンター。40年以上の歴史を持つ場所柄もあって、骨董品や伝統工芸品を扱うお店がいくつかあります。その中のひとつ、テレーズ・ジェード&ミネラルズ(Terese Jade & Minerals)は、中華系の人々にとって価値が高い翡翠を中心とした半貴石や鉱石のアクセサリーを製作・販売しています。

店員のジャクリーン(Jacqueline)さんによると、中国では古くより翡翠は災厄から身を守りかつ幸運をもたらしてくれる石とされてきました。「中華系の人々はよくネックレスやペンダント、ブレスレットなどとして肌身離さず身に着けています。男性もシンプルなデザインのペンダントや指輪などで翡翠を身に着けています。中華系だけでなくヨーロッパ系のお客様にも人気です」。

 

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Indian〈インド系〉 ゴールド系のアクセサリーで華やかな装い

 

インド系の人々が多い場所といえばやはりリトルインディア。MRTリトルインディア駅に近いバッファロー・ロード(Buffalo Rd)沿いにあるジャヤラクシミ・ストア(Jayalakshimi Store)は、約1年半前に開店した比較的新しいお店。以前は同じオーナーが八百屋を営んでいたのだそうです。壁際の棚の中に並んだ女性用アクセサリーは、金色で大ぶりのネックレスと同じモチーフのピアスがセットになっています。細かいチェーンが何連も連なっていたり、大きな飾りが付いていたりといずれも華やかなデザインです。

 

店員のラジャゴパル(Rajagopal)さんによると、インドではアクセサリーといえばまずゴールド。投資の対象としてもゴールドは伝統的に人気が高いそうです。「女性はネックレスやバングル、アンクレット、指輪などさまざま。男性はシンプルに指輪だけ身に着ける人が多いですね。結婚式でもゴールドのアクセサリーが好まれます」。

 

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この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.232(2013年04月15日発行)」に掲載されたものです。
文= AsiaX編集部

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