2017年5月29日
シンガポール人が集うリバーサイド、カランでスポーツを楽しもう
存在感増すスポーツハブ
月57件ものスポーツイベント
カランのスポーツハブ周辺はランナーやサイクリスト、ビーチバレー、ウォータースポーツなど様々なスポーツを楽しむ人たちでにぎわいます。
シンガポール・スポーツ・ハブは、今ではシンガポールの新たなランドマークとして定着し、スポーツ振興においても欠かせない存在になりました。シンガポールのスポーツ政策を担うシンガポール・スポーツ・カウンシルは、「Vision 2030」と呼ばれる国民の健康増進プランの中で、ナショナルスタジアムやプール、ジムなど各種施設を備えるスポーツハブを、スポーツ振興のための拠点に位置づけています。
スポーツハブでコーポレートコミュニケーションを担当するチン・サウ・ホーさんによると、同施設では2015~2016年にかけ毎月平均で57件ものスポーツ関連イベントが開催されており、昨年だけで200万人以上が訪れたとのこと。スタジアム周辺でもフィットネスなどのイベントが頻繁に行われており、今後もさまざまなイベントが開催される予定です。
カラン・リバーでは、週末になると龍を模した細長いボートを約20人で漕ぎ、その速さを競う、ドラゴンボートと呼ばれる競技の練習も行われています。スポーツハブがオープンし、一般向けにカヌーやカヤックの貸し出しも始まったことで、より気軽にウォータースポーツを楽しめるようになりました。カラン・レジャーパークには、シンガポールで最も広いアイススケートリンクもあるなど、多様なスポーツに触れることができます。
このほかURAは、カラン・リバー上流にあたる島中央部のローワー・ピアス貯水池から、ビシャンやトアパヨ、カランを経由し、市街地までをつなぐ道路を整備する計画です。このプロジェクトにより、カラン・リバー流域の住民にとっては、近隣エリアへのアクセスがより容易になるうえ、ランナーやサイクリストにとっての利便性もこれまで以上に高まる見通しです。現在、カラン・リバーを横切るパン・アイランド・エキスプレスウェイ(Pan Island Expressway:PIE)を越えるには、サイクリストたちは自転車を担いで陸橋を渡らなければならず、便利とは言い難い状況です。URAはPIEの上を通る螺旋形の橋を建設することなどを計画しており、これによりローワー・ピアス貯水池から市街地までのリバーサイドが、整備された一本の道でつながることになります。
カラン地区、そしてカラン・リバー流域は市民の憩いの場としてだけではなく、シンガポール島内の人々がさまざまなスポーツを楽しみ、健康を育むことのできるエリアとして今後も注目を集めそうです。
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.322(2017年6月1日発行)」に掲載されたものです。取材・写真: 佐伯 英良