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熱帯綺羅

2009年8月3日

マレー半島生まれの果物の王様「ドリアン」

ドリアンにまつわる話で有名なのは「ドリアンとお酒を一緒に摂ると死に至る」というもの。東南アジアの広い範囲でこの話は信じられていますが、科学的根拠は無いようです。実際にハツカネズミにドリアンとアルコールを与えるという実験を行った科学者が、1969年に医学専門誌『シンガポール・メディカル・ジャーナル』に論文発表し、「まったくの迷信」と結論付けています。それでも、40年経った今もなおこの話がまことしやかに語り継がれているのは、ドリアンを食べ過ぎた時にお腹にガスが溜まったような膨まん感や、強烈なにおいのげっぷに悩まされた経験を持つ人が多いからかもしれません。

ドリアンを食べた後に指に残った匂いを取るには、ドリアンの殻に水を入れて洗うと良いと言われていますが、これは本当に効果があるようです。塩をひとつまみ入れると更に効果的とのこと。そのための塩を用意しているお店もあります。手を洗う際にドリアンの種を持って石鹸を泡立てると良い、という話もありますが、これに関しては意見が分かれるようです。

今回訪れたのはゲイランエリアでしたが、美味しいドリアンが食べられるエリアは、ブギス、チャイナタウンのほかシーズンには臨時の露店も多数出ています。ドリアンの旬は通常6月~7月と12月頃。そろそろ前者のシーズンは終盤ですが、まだ数週間はシンガポールのあちこちでドリアンがずらりと並ぶ光景が見られます。3回、あるいは5回食べなければその本当の美味しさがわからないと言われるドリアン。マレー半島ならではの味に一度はトライしてみては。

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店先でカットされたばかりのドリアンをその場でほおばるのが一番美味しい食べ方。

文= 石橋雪江
写真=石橋雪江

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.150(2009年08月03日発行)」に掲載されたものです。

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