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熱帯綺羅

2011年7月4日

龍の化身「アロワナ」

アロワナ養殖場へ

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養殖場のオーナーのホン氏(Mr. Hong、左)とスタッフ。ホン氏はレストランも運営するビジネスマン。

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熱帯魚の展示会AQUARAMAのブースに展示されていたインペリアル・アロワナは、朱色の鱗がひときわ美しく、高値で取引されていた。

 

さてシンガポールの郊外リム・チュカンやチョア・チュカンのエリアには魚の養殖場が集まっており、アロワナ専門の養殖場もいくつかあると聞いて訪ねてみました。その名もドラゴンワナ(Dragonwana)は、もともとマレーシアでアロワナ養殖場を経営していましたが、近年シンガポールでも養殖を始めました。10個ほどある池で飼育しているアロワナは約1,200匹。もっとも高価なブルーダイヤモンド、クロス・バック(ゴールドとブルーの2種類)、人気のレッド、そしてゴールドの5種類を育てており、そのお値段は手ごろなものでも350Sドルくらい。数千ドルのアロワナも数多く飼育されています。今まで最高値を付けたのは、マレーシアの養殖場で生まれたアロワナだそうです。5,000匹に1匹しか生まれない白く光るパールのような鱗を持ったアロワナで、なんと3万米ドルという値段で引き取られていったそうです。ドラゴンワナでは昨年、やはり5,000匹に1匹しか出ない、と言われる真っ黒なアロワナが2匹生まれ、この2匹はオーナーの宝物として大事に飼育されています。

アロワナは比較的丈夫な熱帯魚で、最大7~8キロにもなる大型魚ですが、性質は穏やかで人に懐くということです。野生のものは最長50年も生きられますが、養殖場ではせいぜい30年。それでも魚としては寿命が長く、権力と繁栄の象徴として大切にされる理由のひとつでもあるでしょう。

水草のまわりを遊泳するアロワナの群れを見ていると、さながら竜宮城の世界に紛れ込んだように感じられます。1億年も前から悠然と泳ぎ続け、生命を繋いできた古代魚たち。きっと1億年後も同じように優雅な姿で泳ぎ続けているのでしょう。

文= セガラン郷子
写真=Eugene Chan

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.192(2011年07月04日発行)」に掲載されたものです。

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