シンガポールのビジネス情報サイト AsiaX熱帯綺羅TOPシンガポールに現存する名画座 「ザ・プロジェクター」

熱帯綺羅

2015年9月21日

シンガポールに現存する名画座 「ザ・プロジェクター」

上映後に観客が拍手 映画ファンに愛される名画座

先ごろザ・プロジェクターで日本でもヒットしたイタリア映画『ニュー・シネマ・パラダイス』や、アルフレッド・ヒッチコック監督のサスペンス『裏窓』を観た時、上映後に観客からの拍手が起こりました。いい映画を観ることができた喜びと、この映画館への感謝を表しているようでした。こうした点も、ほかの映画館とは違うかもしれません。
このように映画ファンに愛される一方で、名画座としての苦労もあります。「ニッチなマーケットをターゲットとしているので、娯楽超大作を上映して連日大入りという状況となることは難しい。実は以前にもシンガポールには名画座があったようですが、現在あるのは、おそらくザ・プロジェクターだけだと思います」とジェロムさん。さまざまな映画祭とのコラボレーションのアイデアもあり、8月にはシンガポールで開催された日本映画祭の参加作品『へブンズ・ストーリー』を上映。またライブなどのイベントも積極的に開催していくそうです。
知る人ぞ知る映画館といえるザ・プロジェクターですが、8月には通常の上映で初の売り切れを記録するなど、徐々にその認知度は高まってきています。シンガポールの名画座の灯を消さないためにも、映画ファンとしてザ・プロジェクターを盛り上げていきたいものです。

 

IMG_0423
映写室にて、左からシャロン・タンさん、ジェロム・チーさん、映写技師のアズマン・サリンさん。

 

IMG_0419

歴史を感じさせる館内。シアターは2つあり、一つは「グリーン・ルーム」(写真)、もう一つは「レッド・ルーム」という名前が付けられている。レッド・ルームはイベントスペースにもなっていて会社などの各種イベントにも利用可能。レッド・ルームの綴りは「REDRUM」でスティーブン・キング原作、スタンリー・キューブリック監督のホラー映画『シャイニング』に出てくる言葉にちなむ。その意味は「REDRUM」を逆から読むと……。

 

 

 

 

IMG_0465

 

 

ザ・プロジェクターへはゴールデンマイルタワー入口右手にあるエレベーターで5階へ。なお、近くにあるゴールデンマイル・コンプレックスと間違えないように!

所在地、上映時間はウェブサイト、フェイスブックで確認を。

http://theprojector.sg

www.facebook.com/TheProjectorSG

 

 

6001 Beach Rd, Singapore 199589

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.288(2015年09月21日発行)」に掲載されたものです。
取材・写真:時澤 圭一

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaX熱帯綺羅TOPシンガポールに現存する名画座 「ザ・プロジェクター」