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熱帯綺羅

2011年12月5日

いつもと違う角度から街を眺めるシンガポール・シティ・ギャラリー

シティエリアの模型をしばし眺めた後、さらに奥に進むと、2001年に策定されたコンセプトプランと、2008年に策定されたマスタープランについての説明があります。コンセプトプランは1971年に策定されて以来10年ごとに見直しが加えられ、シンガポールの都市開発において40〜50年という長期的なスパンでのガイドとなっています。マスタープランは、コンセプトプランが示すビジョンをより詳細で具体的な形に落とし、10〜15年という中期的なガイドになるものです。街区ごとに地図上でプランを示した大判の資料がURAセンター1階に常時置いてあり、自由に閲覧することができます。

 

さらに奥には、制限時間内に都市を建設するゲームや、インタラクティブな画面で大量高速輸送(MRT)網の計画を見ることができるコーナーなどもあり、大人も子供も画面に触れながらシンガポールの都市開発について自主的に学べる工夫がされています。

 

2階に下りると、シティエリアの巨大模型を間近で見ることができます。見慣れている建物はもちろん、意匠をこらしたビルの模型をつぶさに見たり、サルタン・モスクなど有名な寺院の模型を見つけるのも平面的な地図を辿るのとは違った面白さがあります。

 

Screen Shot 2015-07-30 at 3.45.40 pmURAセンターの1階部分は展示スペースとして開放されています。マクスウェルロードに面したガラス張りの空間には、シンガポール全体の大きな模型があり、現在の土地利用の状況や、公園予定地、保護地区に指定される予定の場所などがカラフルなピンで示されています。

 

このスペースで、現在「アーバンスケッチャーズ・シンガポール」の展示が2011年12月24日まで行われています。「アーバンスケッチャーズ」とは、世界中の街でスケッチをしている芸術家たちのブログコミュニティ。シンガポールでは建築家のティア・ブーンシンさんを中心に活動しています。毎月最終土曜日にスケッチウォークを開催、先月は約50人が参加したそうです。2009年ごろから今年にかけて参加者によって描かれたスケッチが、10月に『Urban Sketchers Singapore』という一冊の本になりました。ティアさんによると、日本人スケッチャーの参加はまだないそうですが、「街をスケッチすることに興味がある方は大歓迎」とのこと。シンガポールの街をスケッチを通して眺めるのも、新たな発見につながるでしょう。絵を描くのが苦手でも、スケッチ作品を通じていつもと違う視点で街を眺めてみることができます。

 

また、都市の過去だけでなく未来像を知ることで、街の今の姿が持つ意味がより深く見えてきそうです。

 

45 Maxwell Road The URA Centre Singapore 069118

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.202(2011年12月05日発行)」に掲載されたものです。
文= 石橋雪江
写真=石橋雪江

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