2012年1月16日
2艘のトンカン–TongKang–はシンガポール開拓史の名残り
ジンを飲みながらノスタルジックな夜を
今やナイトライフの代名詞となっているクラークキー。このあたりは30年くらい前まで倉庫街でしたが、現在ではほとんどがレストランやバーとなっています。そのシンガポール川沿いに、古びたトンカンが2艘、長い間放置されていました。ナショナル・ヘリテージ・ボードがこれを文化遺産に指定し、レストラン&バーとして賃貸することに決めたのが一昨年のこと。丁寧に改装され、目も塗り替えられたペアのトンカンは今、クラークキーに固定されて、ひとつはレストラン、もうひとつはバーとなっています。トンカンが辿ってきた歴史にちなんで、レストランではアングロ・インディアン料理を提供しています。インド風のスパイシーなスープ、甲板のオープンキッチンで切り分けられるローストビーフ、ポテトとサラダ。夜景を眺め、川面をわたる風に吹かれながらのディナーはまた格別です。食後はもうひとつのトンカンに移動して、ジンベースのカクテルを楽しんでみてはいかがでしょう。
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この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.204(2012年01月16日発行)」に掲載されたものです。
文= セガラン郷子
写真=Eugene Chan


