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熱帯綺羅

2012年6月18日

中国伝統の音色・二胡を星の国で奏でる人々

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中国の伝統音楽に欠かせない楽器のひとつ、二胡。シンガポールではアーフー(erhu)の名で親しまれています。

 

二胡は、紀元前のインドで生まれ、アラビア半島へ広まった弦楽器「ラバーブ」(rabab)が起源と言われています。やがて、三弦のものが東南アジアから中国南部を経て琉球や日本へ、二弦のものは中央アジアからシルクロードを経て唐代の中国へと伝わりました。元代に今の二胡に近い楽器ができ、明代から清代にかけて中国全土に広まりました。各地の演劇で演奏される音楽などの特徴に合せて発展した中で、江南地方で発展した「南胡」が、のちに「二胡」と呼ばれるようになりました。

 

シンガポールで楽しむ二胡

Screen Shot 2015-07-30 at 1.02.27 pm中華系の人々が多いシンガポールでも二胡に親しむ人は多く、自ら演奏して楽しむ人、二胡の音色に魅せられてシンガポール・チャイニーズ・オーケストラによる生の演奏を聴きに足を運ぶ人々などがいます。

 

ブラス・バサ・コンプレックス内の音楽教室「GTAR Music Centre」で二胡を教えるエリック・ポー(Eric Poh)さんが二胡を始めたきっかけは、学校のクラブ活動。「運動は嫌いだったし、二胡は二弦で簡単そうに見えたから」選んだとのことですが、「弾いてみたら全然簡単じゃなくて(笑)。きれいな音を出せるまで随分練習しました。ちゃんと弾けるようになると、演奏するのが楽しくなって」。その後ずっと二胡を続けて、4年前からはフルタイムの二胡講師として活動しています。

 

ポーさんの生徒には、小さい子供たちから趣味として楽しむ大人まで、幅広い年代の人々がいます。「少し前までは、二胡を好むのは年配者というイメージがありました。近年シンガポール政府が芸術教育にも力を入れるようになったことが功を奏して、二胡を始める子供たちが増えているんです。良い傾向ですね」。

 

ポーさんと同じ教室で二胡を教えているチン・イェンチューン(Chin Yen Choong)さんは、シンガポール在住の日本人女性による二胡アンサンブル「南響楽団」も指導しています。「2年ほど前に活動を始めたアンサンブルで、演奏力の高いメンバーが多く在籍しています。みな練習熱心ですね」。ただし、シンガポールならではの悩みも。「ご主人の駐在で滞在している方が多く、設立当時のメンバーでも既に日本へ帰国したり他国へ異動になった方もいて、最近メンバーが減っているんです」。しかし、悪いことばかりでもないようです。「東京やその近郊に帰ったメンバーが、関東支部を立ち上げて活動を始めました。いつか合同演奏会を開きたいですね」。

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