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熱帯綺羅

2013年3月18日

SOTAの生徒たち、情熱あるヒップなリーダーたれ

 

多角的なアプローチとクリエイティブな教育環境

 

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シンガポールの建設事務所WOHAによるデザイン。2011年にプレジデント・デザイン・アワード賞を受賞した。
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SOTAのロゴデザインは、本来中身が空白。毎年違う色や装飾が施される。

 

SOTAの教育の現場では、各々の体験を通して、表現、発見することが奨励されています。3、4年生の社会科を担当する日本人教師、森敏之さんによると、例えば、理科の授業で重力を教える場合、ダンスの先生をクラスに招き、バランスや動作からそれを理解したり、歴史の授業なら、名画や彫刻などを通してその背景から歴史を学ぶなど、教える側も趣向をこらしているのだとか。「生徒たちが自分が取り組む芸術を高めるために、学問知識の重要性を実感することにもなる」という、学びの鍵が伺えます。

また、在学中は、海外でそれぞれの専門分野のマスタークラスに参加したり、東南アジアの各国でアートを通したボランティア活動にも出かけるなど、様々な経験も生徒たちの才能を伸ばす一助になっています。これら一連のビジョンの具現化には、学校創設の計画段階から関わった初代校長のレベッカ・チュウさんのリーダーシップも大きかったと、森さんは付け加えました。

国内で革新的な教育カリキュラムを実践するSOTAでは、2年に1度、「アート・イン・エデュケーション」という一般に開かれたフォーラムを開催。アートを教育の現場に取り入れるための実験的な試みの成果を発表、共有したり、海外からのゲスト講師も招聘しています。

シンガポールからの芸術的な才能を羽ばたかせると同時に、将来の教育システムや手法が生まれる現場ともなっているSOTA。その存在感は今後ますます増していくに違いありません。

 

1 Zubir Said Drive Administration Office Singapore 227968

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.230(2013年03月18日発行)」に掲載されたものです。
文= 桑島千春
写真=Eugene Chan

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