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熱帯綺羅

2015年7月6日

「進化し続ける海事大国のパワーを体感」 シンガポール・マリタイム・ギャラリー

 

船酔いするほどリアルな操船体験コーナー

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迫力あるエンジン音が響くシミュレーター。船種や天候が異なる複数のコースが用意されている。
乗り物酔いしやすい人は要注意。

 

船のイメージとはちょっと異なる意外な展示も。海底から石油や天然ガスを掘削する、海洋掘削装置(リグ)のコーナーです。可動式の脚を海底に伸ばし、掘削装置本体を波の影響を受けない海上へと持ち上げられるジャッキアップ・リグの建設は、シンガポールが世界シェアの7割を占めているのだとか。水深120mまで延びる3~4本の脚部、海底から3,000m掘削できるドリルなどそのスケールの大きさは圧巻の一言。細部まで忠実に再現された各種リグの模型は必見です。
船のブリッジを模した部屋には、コンテナ船やスピードボートなどの操縦を体験できるシミュレーターがありました。操船を開始すると、5つの大画面にシンガポール沖の風景が現れます。雨天時のスピードボートは揺れも激しく、ほかの船を避けようと画面を見ているうちに船酔いしてしまうほど。多くの船が行き交うシンガポール沖を、安全に航行するのがいかに難しいかを痛感しました。
ギャラリーを出て屋上に上ると、桟橋の向こうにはシンガポール海峡を行き交う大小さまざまな船、右手にはコンテナの積み下ろしに使われるガントリー・クレーン群が一望できます。シンガポール政府は2012年、5ヵ所に分散しているコンテナターミナルを、西部トゥアスにすべて移転させる長期計画を発表しました。高層ビル群のすぐ近くに巨大なガントリー・クレーンが立ち並ぶこの風景も、近い将来姿を消してしまうことでしょう。進化を続けるシンガポール海事産業のパワーを、ギャラリーの内外で感じられる貴重なスポットです。

 

 

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屋上からの眺め。左側はアジア最大級の客船ターミナル「マリーナ・ベイ・クルーズ・センター」。
右手には3つの港のガントリー・クレーンが立ち並ぶ。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.283(2015年07月06日発行)」に掲載されたものです。
取材・写真:鈴木 雪子

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