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熱帯綺羅

2014年7月21日

シンガポールのデザインと日本の物づくり「デモクラティック・ソサエティ」

 

メイド・イン・ジャパンへのこだわり

DSがその生産地を日本とするのは、技術と品質が確かで厳しい品質管理をパスしたものだけが納品されることと、生産者と顔を合わせて実現したいことをとことん話し合える関係性が持てるから、とエドウィンさん。「シンガポールでデザインはできても、国内製造は技術や設備の面でかなり難しい。ベストなデザインを製品化するにはベストな生産者が必要です」。

 

 

またエドウィンさんは、このビジネスモデルで日本の伝統を受け継ぐ中小製造業における後継者不足や生産量の減退の流れにも一石を投じたいとも。海外からの視点で異なるデザインや用途を提案することで日本の伝統技術や工芸品の新しい一面を引き出せて、多民族多文化が集まったシンガポールなら世界展開のために市場を試すことも可能、というわけです。日本の生産者とのコラボレーションの立役者となったビジネス・コーディネーター、大谷啓介さんと共に、各国の消費者の目を引くウェブサイトの構築やロゴのデザインなど、世界に通用するブランディングも同時に進めています。

 

 

このDSブランドが生まれたのは、2年前にエドウィン夫妻が始めた「supermama(スーパーママ)」というセレクトショップ。今や若手デザイナーたちのスタジオとしても機能する場となり、先に紹介した品々を含め、所属するデザイナーたちが日々商品開発を進めています。彼らは同店の運営も担当し経営のセンスを身につけつつ、日本の生産者訪問など良質のものを見極める目とこだわりを学ぶ機会もあるとか。次世代に繋がるボーダレスなプロダクトデザインの新潮流と期待せずにはいられません。

30A Seah Street, Singapore 188386

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.261(2014年07月21日発行)」に掲載されたものです。
取材・写真:桑島 千春、supermama

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