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2010年3月1日

人を育てる事が真の国際貢献

マブチモーター 株式会社 ダイレクター 宝居正樹 業種:小型モーター製造販売

人を育てる事が真の国際貢献

現地化、と言う言葉を良く耳にいたしますが、この言葉を誤解している、と思われる企業も見受けられます。真の現地化とは、現地従業員の育成であり、結果として、企業活動が最低限の日本人で活動が出来る環境が実現するものと認識いたします。

 

企業の中には、安価な労賃で生産コストを追求した活動を最大の目的として海外展開されているケースが見受けられます。確かにその事も重要な目的なのですが、真の現地化とは、企業活動の精神を理解し、自己の行動が会社運営に影響するという事を理解できる人材を現地で何人育てる事が出来たか、という事であると考えます。この様な認識を持った人材を多く育てた企業の生産性は向上し、結果として、品質向上に結びついて企業活動の効率化が実現できています。現地従業員の育成には、多大な時間と根気が必要でありますが、この様な活動が企業活動の原点であるという認識が重要なのではないでしょうか。

 

弊社は、1964年香港に始めて海外生産拠点を設立して以来、台湾・中国・マレーシア・ベトナムと各国に工場を設立しましたが、一番重要なこととして認識しているのは、現地従業員の教育と育成です。企業は人が動かすのであってシステムで動かすものではありません。人の介在無くして物づくりは出来ない、と言っても過言ではないと信じております。弊社では『人創り』こそが企業の最大の使命と認識し活動して参りました。1986年、中国広東省に初めて工場を設立いたしましたが、その後、現地工場の技能員・技術要員・幹部技術者育成を目的とした技術研修センターを設立し、現地従業員の育成を図ってきました。この事も『人創り』の一貫と考えた行動です。研修終了後、他社に転職した人もいましたが、弊社に魅力が足りなかった事の反省と、進出国の企業で役に立つ技術者を育成出来た事が成果と認識し、活動を継続しております。

 

また、社員教育も重要なことと認識し、教育制度の充実を図り従業員の成長と能力発揮を支援しております。現地従業員に対して、本社・各工場での研修制度も実施しており、現地化促進を目的とした人材育成を実行、毎年多くの現地従業員が研修に参加しております。

 

この様な活動が全てとは思いませんが、現地化への一歩と認識し活動する事が重要と考えております。

プロ意識を持つ事

学校を卒業したばかりの新入社員と歓談する事が多々ありますが、共通点として感じるのは、学校生活の継続と意識している新卒者が多いという事です。学校生活は、学生が授業料を支払っており、学校からすると学生はお客様です。当然、お客様は神様ですので全てに行き届いた対応を致します。しかし、会社は異なります。労働の対価として給与を頂く事となります。労働の対価とは、目的に対する成果であり実績です。学校生活とは相対する活動です。この事を意識する事が重要であり、プロ意識もそこから芽生えます。プロ意識を自身の中で育てる事によって個人の価値が向上し、結果としていろいろな会社からぜひ採用したい、という声が多く寄せられるような人材となる、と考えます。

 

プロ意識育成のスタートは、先輩の指導と行動を真似る事からと思いますが、その後、徐々に自分らしさを付け足して、最後に自分らしさとプロ意識が融合した時、誰からもその道のプロと認められる人材となる事が出来るのではないでしょうか。

 

最後に、企業の成長は、個人の意識と企業の人材育成の成果であり、どちらかが不足しても企業目的を達成する事は出来ないものです。そして、企業活動は、プロ意識を持った従業員と、企業の人材育成が融合した時、最大限に成果が発揮できるもので、この様な意識を持った従業員が多くいる会社ほど真の国際企業と考えます。以上『人創り』について述べてまいりましたが、皆様方の今後の活動の参考となれば幸いです。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.162(2010年03月01日発行)」に掲載されたものです。

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