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2012年6月4日

シンガポール生活で、心がけている3つのこと

AGC Electronics Singapore Pte. Ltd. マネージングダイレクター 狩野 孝子 業種:電子関連事業への素材販売

弊社は、旭硝子株式会社の100%の関係会社であり、旭硝子の製造する電子関連素材・部材のASEAN、インド、オセアニア、中東地域への販売、マーケティングを担当しております。

当地へ赴任して、約10ヵ月。まだまだ、シンガポールについて語れる立場ではありませんので、今回は、今現在シンガポールで生活を行う上で私が常日ごろ心がけていることをお話ししたいと思います。

1)話を聴く

言わずと知れた、傾聴の姿勢ですが、入社してからずっと営業を担当してきた私にとって仕事といえば「お客様の声を聞くこと。そして、自分から話すこと」だと思っていました。10年程前、カウンセリングを学ぶ機会を得て、「聞く」と「聴く」の違いを学びました。「聴く」というのは、「耳」と「心」を使う、ということ。また、人に話を聴いていただくことが、どれだけ自分の助けになるか、ということでした。これは、お客様、同僚、友人もちろん家族も含めてのコミュニケーションで心がけています。

でも、元来、話すことが好きな私には、かなり忍耐を要求されることです。相手が話し出したら、「話したい」と思っても、心の中で、10数えてから話すようにしています。これが15になり、20になったら、もっと聴き上手になれるのではないか?と、日々、忍耐力をつけようとしています。

シンガポールに来てから、ローカルスタッフとの英語でのコミュニケーションの機会が増えました。日本人と比べ話す速度が速く、話が切れないので、待っているとタイミングを取るのが難しいのですが、「聴いている姿勢」を見せ、待つようにしています。

2)Face to Faceでコミュニケーションを取る

私が入社した頃は、メールも携帯電話もなく、お客様や同僚とのコミュニケーションの手段は、Face to Faceでした。ここ10年、メール、携帯電話の普及により、コミュニケーションの方法も変わってきていると思いますが、やっぱり信頼関係を築くには、Face to Faceのコミュニケーションが必要だと考えています。言葉で伝わるのは7%、残り93%は、表情やしぐさなどによって伝わる、と言われています。特に、メールでは双方向にもならないですし、声色もわかりません。スタッフにも、極力、お客様に会う機会を増やすように話しています。会社に誰もいなくなるのが理想なのですが、そこは、まだまだです。また、私も、英語で話しかけなければならないプレッシャーはありますが、スタッフにもどんどん話しかけ、コミュニケーションを取るようにしています。

3)郷に入れば郷に従え

シンガポールへの赴任の内示を受けた時、「海外生活?えっ私が?」という思いでした。出張では、様々な国に行かせていただく機会がありましたが、生活となると初めてです。その時に、以前の上司の方から頂いた言葉があります。 「シンガポールという国を好きになり、シンガポールで暮らす人を好きになり、そして、生活を思いっきり楽しんでください」。当たり前のことではありますが、同じ生活をするのであれば、楽しく生活した方が、人生豊かになれると思います。そうであれば、住む場所、そこに住む人を好きになることが、スタートなのだ、と、改めて気づかされました。

シンガポールは、安全ですし、私にとっては食事も合うので暮らしやすい国です。毎日暑いですが、日本の夏よりは涼しく、問題ありません。また、地震の多い日本ではお目にかかれないような様々な形のビルや、南国の植物、動物など、興味を惹かれるものがたくさんあります。人々については、日本人と違ういろいろな面を発見します。特に、誰とでも気軽に話をしていく姿勢はうらやましいくらいです。もちろん、自分にしっくりくることばかりではありませんが、できるだけ、笑って前向きに受け入れるようにしています。まだまだ、10ヵ月ですが、毎日いろいろな発見をしながら楽しく生活しています。

今回、3つのことを書かせていただきましたが、せっかく頂いたシンガポールでの生活の機会、悔いの無いように、楽しく過ごしていきたいと思います。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.213(2012年06月04日発行)」に掲載されたものです。

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