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Employer's Voice

2012年7月16日

6年9ヵ月で学んだこと

MOL Logistics (Singapore) Pte Ltd. マネージャー 田中美奈子 業種:物流

シンガポールに赴任して早いもので6年9ヵ月。
赴任前から業務を通してコミュニケーションをとっていたスタッフがいたり、出張でオフィスにも3回来たことがあったので、知っていることばかりだと思っていましたが、実際出向して働いてみると、以前の数日間の滞在時よりもむしろ自分がアウトサイダーのように感じられました。
というのも、弊社では、43名いるスタッフの中で日本人は私とMDの2人だけなのです。
日系企業にいるにもかかわらず、超少数派。意思伝達の難しさに戸惑い、もどかしさに腹を立てたり、悩んだりしました。これまで発見、反省の連続で、色んなことを学びました。
そんな中で日々のコミュニケーションにおいて心がけていることを今回はご紹介したいと思います。

  1. 相手を知ること
    シンガポールは多民族国家で、ナショナルスタッフの中にも中華系、マレー系、インド系のスタッフ、その他弊社には中国やマレーシア、ミャンマーから来ているスタッフがいますし、バタムオフィスにはインドネシア人のスタッフがいます。
    彼らの文化は個々違って、よかれと思ってしたことが、かえって彼らを困らせることもあります。
    それでも彼らの文化を知ろうとすると喜んで色々と話してくれます。
    文化を知った上でコミュニケーションをとっていくことは信頼関係を築くことにつながっていくと思っています。
    例えばラマダン(断食)中は喜怒哀楽をあまり出さず、コントロールするスタッフもいるので、ラマダン中のスタッフには必要以上に話しかけることは避けるようにしています。また日本の慣習を折りにふれて紹介し、自分のことを知ってもらうようにしています。
  2. 業務を理解してもらうこと
    回答のみを求めるスタッフもいますが、必ず回答に至るバックグラウンドを説明するように心がけています。
    回答のみ伝えることは簡単です。逆に理解を求めることは時間をかけて説明をしなくてはならないこともあり、また、理解してもらったと思っていたのに、実は不十分で、同じ説明の繰り返しとなることもしょっちゅうです。
    それでも、各々が理解をした上で業務行っていくことは、個々のスタッフの成長のみでなく、現地法人としての成長にもつながると考え、あきらめないで繰り返し説明するようにしています。
    中には責任がかかることを恐れて、自分の考えを言わずに指示、回答を待つスタッフもいますが、私自身が彼らをフォローできる範囲の中であることに注意しながら、スタッフの考えを引き出しやすい環境を作るようにしています。
  3. メールだけではすませないこと
    E-mailは多くの人に一度に情報伝達できてとても便利ですが、それだけではすませず、電話をしたり、デスクまで行って声をかけるようにしています。
    困っていることを伝えられずにいるスタッフもいるので、実際に話すことで少しでも相手の状況を知ることができればと思っています。

上記3点を心がけているものの、実行するとなると難しいもので、思ったことが伝わっていなかったり、忍耐切れでイライラしてしまったりと、今でも反省することが多い毎日です。
ただ、アウトサイダーと感じることは、ほとんどなくなってきました。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.216(2012年07月16日発行)」に掲載されたものです。

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