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社説「島伝い」

2007年4月2日

お気づきですか? 環境の変化

日本では全国的にサクラの花が咲き始めました。サクラの開花はサクラ前線と呼ばれて例年3月下旬頃九州南部から始まり、順次北上して最後に5月上旬頃北海道にたどり着きます。しかし、今年は東京都心のサクラが全国で最初に満開となるなど、サクラ前線に微妙な変化が生じています。さらに、東京都心では初雪がないまま春一番が吹き、その後、初雪が観測されたことが話題となりました。

 
これらの現象は、やはり地球温暖化の影響を受けていると考えられます。地球温暖化は、我々が住む地球の温室効果ガス(主に二酸化炭素やメタン)が増加することにより、表面気温が上昇して気候が変わってしまう現象で、日本だけではなく全世界的な問題となっています。表面気温が上がると海面が上昇するため、台風や地震のときに洪水等の被害を与えます。また、生態系や農業にも大きな影響をもたらします。

 
ここシンガポールでも、昔のように太陽が照り注ぎ青く澄み切った空を見ることが少なくなってきたように感じます。年末年始の異常な低温気象や長雨現象、それも南国独特のスコールではなく日本の梅雨のような長雨が続いたりしています。

 
シンガポール政府は、温室効果ガスの排出量抑制策として、中心街や高速道路にERP(電子式道路通行料金徴収システム)を設けて車輌通行量の抑制やホーカーセンターなどのゴミ散乱対策を強化しています。また、国民の地球温暖化への認識を高めるために啓発キャンペーンを実施、エアコン利用の抑制、公共輸送機関の活用を推進するなど積極的に取り組んでいます。

 
我々の心のどこかに「自分は関係ない」と思う気持ちがあるかもしれませんが、エアコン利用の見直しや節水等ひとりひとりの心掛けが、温暖化だけでなく環境問題全体に及ぼす影響は決して小さくありません。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.095(2007年04月02日発行)」に掲載されたものです。

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