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社説「島伝い」

2008年4月23日

ミスコミュニケーション

コミュニケーションの重要性というのは今更言うまでもないこと。とはいえ、言うは易し、行うは難し。相手が今は忙しそうなので後で言おう、と思ったことが、後になったら今度は自分が忙しくなってしまい、結局情報を伝え損ねてしまった――身に覚えがある方も多いのではないでしょうか。また、伝えた情報が、こちらの意図通りには相手に伝わらず、「言っておいたのに」ということもよくある話です。その結果問題が起きた時に、どちらも譲らず「言った」「言わない」の不毛な水掛け論になってしまうことも……。

 
このようなミスコミュニケーション(伝達不良)は、たとえ同じ部署で一緒に仕事をしているメンバー同士であっても、同じ言語を母語とする者同士であっても発生することがあります。その多くの場合は、コミュニケーションが一方通行になってしまっているからではないでしょうか。原因は伝え方に問題がある場合もあるでしょうし、受け手の側が情報を受け取る用意ができていなかった、カン違いで誤った情報を頭にインプットしてしまった、などもあるでしょう。

 
顔を合わせて話している場合は、情報を渡した瞬間に相手がどう受け取っているかを見て、本当に伝わっているかどうか判断できますが、直接見ることができない場合、例えばメールや携帯のSMSで情報を伝えた場合は、相手にこちらの意図が伝わっているか、何らかの形で確認する配慮が必要です。

 
しかし、忙しくなるとそういった配慮に時間を割きたくても割けないことがあるのも事実。伝えっぱなしになっていた情報を、まぁ確認しなくても大丈夫だろうと勝手に判断して、結局後で相手に十分理解されていなかったことが発覚、相手の作業に手戻りが発生してしまった――相手にも迷惑ですが、自分も説明のやり直しなどに時間を費やすことになってしまいます。

 
情報を伝える側は相手にうまく伝わるような配慮を、情報を受け取る側は相手の意図を理解する配慮を。一方通行にならないように、互いに情報をキャッチボールし合うよう持っていくことが大切でしょう。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.120(2008年04月23日発行)」に掲載されたものです。

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