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社説「島伝い」

2009年4月6日

自分を信じる心

先月開催されたワールド・ベースボール・クラッシック(WBC)で、日本が2連覇を達成しました。

 
しかし、その道のりは決して楽なものではありませんでした。第1ラウンドでは最終戦で韓国に惜敗して2位通過。第2ラウンドでも一度は敗者復活戦に回り、再び勝ち上がっての決勝ラウンド進出。準決勝で米国に快勝したものの、韓国との5度目の対戦となった決勝戦、9回裏に同点に追いつかれ、延長戦を制しての勝利と、最後まで苦しみながらの優勝でした。

 
第1ラウンド終了時点で「連覇は無理」という声も出るなど、今回は日本は勝てないのではという雰囲気が漂っていました。それは選手たちにも伝わっていたでしょう。人は、時に周りの期待や声援に押されて思わぬ力を発揮することがありますが、逆に周りからのプレッシャーで思った通りの力が出せなくなることもあります。しかし、今回の日本チームは、あらゆるプレッシャーを跳ね返して優勝を果たしました。なぜでしょうか。

 
それは、選手個々の「自分を信じる心」にあったのではないでしょうか。彼らはプロ野球選手の中から選ばれた、選りすぐりの選手達。これまでプロとして積み重ねてきたものや日々のトレーニングなど、「これだけやってきたんだ」と思えるものを持っていたはずです。周りが何と言おうと最後に勝つのは自分達だと信じ、そのイメージを持ち続けていたことでしょう。そんな「自分を信じる心」を持つ選手達ひとりひとりが、チーム一丸となって戦う日本チームのベースになっていたように思います。
「自分を信じる心」、すなわち自信を持つことが大事なのは、ビジネスでも同様です。準備不足で臨めば、自信を持って話すこともできません。自信の無さから「ダメだったらどうしよう」と思ってしまった時点で、成功への道は閉ざされてしまいます。失敗に終わるか、せいぜい言い訳を並べて逃れることしかできなくなるでしょう。

 
成功にたどり着くには、いい意味で自信が持てること、自分を信じる心を持つことが大事だと、今回のWBCを通じて改めて考えさせられました。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.142(2009年04月06日発行)」に掲載されたものです。

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