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Vol.357

2020年5月5日

アムリタ ミキさん

The Center for Connection Therapy PTE. LTD 代表取締役社長
NVC SINGAPORE 創始者
ジョージワシントン大学ビジネススクール 国際ビジネス専攻 経営学修士(MBA)

 神奈川県出身。高校時代は、マーチングバンド全国大会常連校で指揮者を務めていたが、周りが引いてくれた指揮者の道をそのまま進んでいくことが嫌で、高校2年で退学、留学のため渡米した。23歳で起業。その後、横浜中華街で初めてのエンタメ事業を仕掛ける。この事業の話を聞いて、吉本興業から協業の誘いを受けるも断る。何度か話をもらい続けるうちに熱い思いに心を打たれ、吉本興業との協業を決意。そして始めた水族館事業が1日最大動員数5,000人を記録。食文化中心だった横浜中華街にエンタメ性をもたらした貢献がメディアに取り上げられる。成功の秘訣は「市場の潜在ニーズを察知し、誰もやったことがないサービスを提供した」ことだった。
 
 女性が結婚退職をして専業主婦になることが主流だった時代にビジネスウーマンとしての生活を送る。そんな人生の転機は、子供が産まれたこと。母親となり家族が人生の中心となった。子供のためにと決めていたマウイ島への引っ越しも、子供の強い要望によって、夫が側湾症専門クリニックを開業していたシンガポールに急遽、変更。2015年に来星する。
 
 ビジネスの世界から女性のライフステージへの経験を在星の女性たちに伝えたいと、2017年に、現会社を設立。シンガポールで唯一NVC(非暴力的コミュニケーション)を基礎から学べるスクールだ。「1970年代にアメリカの臨床心理学者ローゼンバーグ博士によって体系化されたNVCは、企業から家庭まで使える手法」。マイクロソフトのナデラCEOが就任当時、敵対心溢れる企業文化を変えるべく、この手法を取り入れたのは有名だ。そんなNVCをベースにした、女性のためのセルフ・リーダーシップ・プログラムを現在開講中。
 
 2019年、女性が所有するビジネスを世界中のバイヤーとつなぐグローバルネットワーク団体であるWeConnect International日本支部の勧めで、シンガポールでの公募情報を聞き、今までの活動内容をまとめて応募した結果、シンガポールを代表する女性起業家20人に選ばれた。そんな彼女の笑顔には、一歩前に踏み出せないでいる女性の背中をドンと押してくれる頼もしさを感じる。
 

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