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Vol.259

2014年6月16日

川口 かんなさん

株式会社ティ・エイチ・アイ 営業企画部TBC課。

asiax (19)地元の静岡雙葉中学校・高等高校を卒業後、シンガポール経営大学(SMU)ビジネス・マネジメント専攻に進学した。当時のシンガポールは今ほど日本での存在感もなく、周囲からは「シンガポールってどこ?」と言われたことも。

だが、父五郎さんの「色々な文化の混在するシンガポールでの勉強は今後必ず役に立つ」という勧めに従い、18歳で単身、当地にやってきた。五郎さんが経営する、中古建設機械のオークションを開発・運営する株式会社ティ・エイチ・アイは2001年にシンガポール進出を果たしており、五郎さんが急速に発展する国の勢いに魅力を感じていたことが理由だという。
SMUでは、「アジア各国の学生たちが、海外でも全く気後れしていないのがカルチャーショックでした。だから頑張れたと思う」。授業はプレゼンテーションの機会が多く苦労もあったが「無理やり人の前で話す経験は、今考えるとすごく良かった」。必死に付いていくうち、英語への不安もなくなった。卒業後、同社のシンガポールオフィスへ就職した。
同社のシンガポール拠点では、主に、オークションに参加する中古建設機械の買い手を開拓する業務などを行っている。また、日本で培ったノウハウやシステムを基に、アジア各地の中古建設機械を集めたオークション運営なども手掛ける。売り出される建設機械の使用環境は、日本とは大きく違うため、運営側にとってはコンディション評価や値付けなどが難しい側面も。しかし、日本からの機械供給が減少する中、アジアでの売買をさらに活発にしていくことを目標に、フィリピンやタイ、インド、ミャンマーなどを飛び回る。そうしてアジア各国での取引を続ける中で、感じるようになったのはビジネスの場での「人情」の重要性だという。「アジアではコミュニケーションが信頼を生むと実感します」。
在星は8年になり、日本出張も頻繁にあるが、もう日本で生活することは想像もできないほどだという。各地を飛び回る仕事を手掛けつつ、終業後は毎晩のように趣味のサルサの大会に向けて練習に打ち込むなど、公私ともに充実した生活を送っているからだ。「仕事をしつつ、趣味や友達と会う時間もあって。贅沢ですよね」。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.259(2014年06月16日発行)」に掲載されたものです。

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