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Vol.287

2015年9月7日

田村 淳也さん

ケルビン・チア・パートナーシップ法律事務所 外国法弁護士

Vol287_cover埼玉県熊谷市出身。東京大学法学部、慶應義塾大学法科大学院卒業。法曹の世界を目指したのは中学生の時。たまたま読んでいた本に検察官が登場し、法曹の仕事に興味をもったのがきっかけだった。司法試験に合格したのち、幅広い仕事を担当できることに魅力を感じて弁護士になることを決めた。
弁護士と聞くと専門分野を定める印象があるが、田村さんは敢えて分野を限定することはしないという。それゆえ英語や中国語など言語に関わらず、また会社の規模や業種も問わず幅広い案件を担当する。「目の前の案件に取り組んで経験値を増やしたい。その中から自分の得意な分野を増やしていきたいんです」。
日本はもちろん海外の法制度についても勉強熱心で、過去には中国の法制度を学びたいと言葉もわからないまま中国での研修に参加したこともある。来星のきっかけも、アジアで重要な位置にあるシンガポールの法制度を学びたいという思いからだった。当地ではケルビン・チア・パートナーシップ法律事務所で企業法務を担当、クライアントにシンガポールの法律と日本の法律の違いを踏まえたアドバイスを行っている。法律の知識に留まらず文化的な背景の違いを知る必要もあるが「幅広い業務に関わりたいと思ったら、相応の知識が必要になる。だからこそ常に勉強が必要で、飽きることがないですね」と元来の好奇心旺盛さが顔を出す。
趣味はサッカーやフットサルで、シンガポール人のローカルチームで「助っ人外国人」として活躍する。頭を空っぽにできる貴重な瞬間である一方、メンバー同士で自分の意見をストレートにぶつけ合うなど、仕事上では見ることのできないシンガポール人の素の姿を見ることができる貴重な機会でもある。
今後についても担当するクライアントは多岐にわたると予想される。しかし、会社としての悩みにはある程度共通するものがあるという。それに対して自分がどう役立てるのか、自問自答しながら業務に当たっている。「自分を頼りにしてくれるクライアントを、『弁を用いて護る』のが弁護士の基本的な職務。難しい状況でも自分の力を駆使してベストな結果につなげたいと思っています」。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.287(2015年09月07日発行)」に掲載されたものです。

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