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嶋津良智の「リーダーにつける薬」

2013年3月4日

情報の3段活用

毎日仕事をしていると、あらゆるところからたくさんの情報が入ってきます。

上司・同僚・お客様から寄せられる情報のほか、本・雑誌などにも情報が溢れかえっています。このような状況の中で、最近、私は口を酸っぱくして部下に伝えていることがあります。それは「情報の3段活用」です。

 

 

情報はまず「得る」ということから始まります。これには、自分から得ようと思って得た情報と、自然と入ってくる情報とがありますが、まずはこの情報を「得る」ことから始まります。

 

 

次に、得られた情報を「整理する」作業を行います。この情報を整理する力は、仕事の段取り力に比例すると言うのが私の実感値です。

 

 

考えるべきことは、

  • どの情報を取っておくのか?
  • どの情報を捨てるのか?
  • どの情報を今すぐ使うべきなのか?
  • どの情報は利用期日が決まっているものなのか?

などです。

 

 

そして、最後に、整理した情報を「確認する」という段階になります。

  • 整理の仕方に間違いや問題がないか?
  • 期日があるものはスケジュール表に書き入れて、いつ利用するかもち ゃんと決めたか?

など、整理の仕方、得られた情報の解釈などが間違えていないかを確認するのです。ほとんどの方が得た情報をそのままで終わらせてしまうことが多いのには驚いてしまいます。

 

 

私の友人の本田直之さんが自書の中で「本から得られた必要な情報はメモに転記して、よっぽどの名著でなければ捨ててしまえ」ということが書かれていました(かなり割愛して書いていますので、詳細はぜひ読んでみてください)。このように現代社会はインターネットの普及によって、情報で溢れかえっています。「捨てる情報はどんどん捨てる」「入れない情報は入れない」など、この情報の整理力というのは、今の社会では仕事ができる人の一つの能力のような気がしています。

 

 

この「得る」「整理する」「確認する」の「情報の3段活用」は血液で言う白血球・赤血球・血小板のようなもので、全てが揃わないと機能せず、せっかく得た情報も宝の持ち腐れになってしまうので、ぜひ気をつけてほしいと思います。

文=嶋津良智(しまづよしのり)


株式会社リーダーズアカデミー
代表、シンガポール在住。
2度の株式上場体験を活かし、日本・シンガポールを始め、アジアを中心に経営コンサルとして活動。世界9ヵ国12都市でチャリティーセミナー実施。
最強の部下を育成し、最強の組織を作る、業績向上のための独自プログラム『上司学』が好評を博す。著書7冊執筆、韓国・台湾でも翻訳されている。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.229(2013年03月04日発行)」に掲載されたものです。

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