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法律相談

2025年8月1日

Q.シンガポールにおける金融取引について

Q. 外国人が開設できる銀行口座について教えてください。

A. シンガポールの経済は比較的安定しており、アジア屈指の金融センターとして知られています。中央銀行として外為基金の管理や、銀行など金融業に対する監督、通貨制度の維持等を図っているのがシンガポール金融管理局(Monetary Authority of Singapore; MAS)となります。外国企業や外国人が複数の通貨を一つの口座で管理したり、クロスボーダー取引や国内外の銀行取引を行うことが可能です。
 
 シンガポール資本の主要銀行では、シンガポールドル、日本円、アメリカドル、ユーロを含む様々な通貨に対応した当座預金口座(savings account)を提供しています。シンガポールドルでの収入や海外通貨での送金等、複数の通貨で取引を行う場合に、為替手数料の負担をおさえた取引を行うことが可能です。また、日常的な取引を目的としたいわゆる普通口座(standard checking account)も開設することができます。
 

Q. 外国人がシンガポールで銀行口座を開設するための必要書類を教えてください。

A. 個人で銀行口座を開設するのは一般的に難しくなく、主な必要書類は以下となります。各銀行により必要書類が異なる場合がありますので、申請時に詳細を確認することが推奨されます。
 
 (1)パスポート:有効期限内のもの。
 
 (2)住所証明書類:シンガポール国内の住所を証明できる書類であり、公共料金や携帯電話の請求書、雇用主が作成した書面、銀行口座の明細書等が該当し、直近3か月以内に発行されたもの。
 
 (3)ビザ:シンガポールでの就労や就学を証明する書類(例えば、EP, S Pass, DP, Long Term Visit Pass, Work Permit, Proof of Study等)。
 

Q. シンガポール到着前にオンラインで口座を開設することは可能ですか。直接銀行へ出向く必要がありますか。

A. オンラインで口座を開設できる銀行があります。また、本人確認のため、銀行の支店で申請手続きが必要な銀行もあります。
 

Q. 外国人でも可能な個人投資について教えてください。

A. シンガポールは、安定した政治体制と高い格付けを持つ国として知られています。個人に対しても比較的有利な税制となっており、外国人投資家からの注目も集めています。外国人向けとして、以下のようなオプションがあります。
 
 (1)投資信託(Unit Trusts)、上場投資信託(Exchange-Traded Funds)
 
 (2)株式、債券:シンガポール国債(Singapore Government Bonds; SGS)及び貯蓄国債(Singapore Savings Bonds; SSBs)は、一般的に安全な投資対象と言われています。
 
 (3)補足退職積立(Supplementary Retirement Scheme; SRS):SRSは中央積立基金(Central Provident Fund; CPF)を補完する年金制度であり、税制上の優遇措置も充実しています。例えば外国人の場合、年間S$35,700まで拠出することができ、税控除の対象となります。また、投資によって得られた収益は非課税であり、法定退職年齢(2025年8月時点で63歳)に達した後、10年間で拠出する場合に限り、拠出額の50%のみ課税対象となります。
 
 (4)保険:貯蓄、保障、投資を目的とした様々な保険商品があります。
 

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