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会計・税務相談

2022年7月14日

Q.商品・サービス税(GST)の税率変更について

Q. 商品・サービス税の税率は、いつから引き上げられるのでしょうか。

 A. GSTの税率は、2007年7月1日に5%から7%に変更されて以来、15年間に亘り現行の税率を維持してきましたが、2022年度予算演説で発表されたように、2023年1月1日より8%、更に2024年1月1日に9%と二段階に分けて、それぞれ1%ずつ引き上げられることになりました。
 

Q. 税率の変更日の2023年1月1日前後の取引について、旧税率の7%と新税率の8%のどちらを適用すべきか、どのように見極めればよいのでしょうか。

 A. どちらの税率を適用すべきかは、基本的にはGST法の「供給時期(Time of Supply)」の規則に則って判断します。「供給時期」の規則とは、GST法上において商品・サービスは、請求書の発行日または代金の入金日の何れか早い方の日に供給されたと見なす規則を指します。すなわち、2022年12月31日までに請求書を発行するか代金を受け取った場合の税率は7%となり、2023年1月1日以後であれば8%となります。
 

Q. 店頭での価格表示は、どのようにすればよいでしょうか。

 A. 小売店などの価格表示は、2023年1月1日よりGST税率8%の税込価格に変更しなければなりません。一夜にして表示を変更するのが難しい場合、2022年12月31日までの価格と2023年1月1日からの価格を併記した表示であれば、2022年のうちに差し替えても構いません。敢えて小売価格を変更しない場合、2023年1月1日からは税込価格の8/108をGSTとして計上することになり、実質的な値下げとなります。
 

Q. 税率変更に伴い適用される特別なルールはありますか。

 A. 前述の回答で、2022年12月31日までに請求書を発行するか代金が入金された場合、7%の税率が適用されると述べましたが、税率変更に伴う特別なルールとして、商品・サービスが2022年12月31日までに供給された場合、請求書の発行および代金の入金が2023年1月1日以降であっても税率7%の適用を選択することができます。逆に、請求書を2022年12月31日までに発行し、7%の税率でGSTを請求したとしても、商品・サービスの供給または代金の入金の何れかが2022年12月31日までに為されなかった場合、2023年1月15日までに取消伝票(Credit Note)を発行して7%の税率で発行した請求書を取り消し、8%の税率で請求書を発行し直さなければなりません。
 

Q. 2022年から2023年にまたがって継続的に供給される商品・サービスに関して、2022年に請求書を発行済である場合はどうなりますか。

 A. 継続的な商品・サービスの供給についても、上述の事例と同様に、2022年12月31日までに商品・サービスの供給または代金の入金の何れかが完了した部分は7%、それ以外の部分は8%の税率が適用されます。ですので、2022年に請求した金額のうち、2022年12月31日までに商品・サービスが供給されず、かつ入金もなかった部分については、2023年1月15日までに取消伝票および8%の税率による請求書を発行しなければなりません。
 

Q. 税率変更にあたり、どのような準備をしたらよいでしょうか。

 A. GST事業者は、2023年1月1日の税率変更に向けて、以下のような準備を進めるようにしてください。
  ・会社の会計・請求システムや店舗のPOSレジについて、2023年1月1日から新税率が適用されるように設定を変更する
  ・商品の価格表示について、2023年1月1日から新税率に基づく税込価格になるように変更する
  ・税率変更の前後の取引に関するGSTの取り扱いについて社員に教育・研修を実施し、正しい知識を身につけさせる
  ・顧客との既存の契約について、税率変更による影響がないかどうかを確認する
  ・顧客にGSTの税率変更を通知する
 

著:Tricor Singapore Pte Ltd 斯波澄子

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