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来星記念インタビュー

2020年1月1日

2020 新年の挨拶

駐シンガポール 日本国特命全権大使 山崎 純

 新年あけましておめでとうございます。
 昨年5月1日に天皇陛下が即位され、日本の「令和」の時代が幕を開けました。10月に開催された即位礼正殿の儀には、ハリマ・ヤコブ・シンガポール大統領をはじめ200近い国・機関等からの外国賓客が参列し、天皇陛下の御即位をお祝いしました。新しい時代の日・シンガポール関係を更に発展させ、両国民間の交流が一層深まるよう大使館としても努めてまいります。
 
 昨年は、日本が様々な国際的な場で大きくリーダーシップを発揮した年でした。6月には大阪でG20首脳会議が開催され、招待国のシンガポールからもリー・シェンロン首相が参加しました。安倍総理が議長を務め、貿易を巡る緊張が増大する中、重要な成果である首脳宣言をとりまとめました。また、8月には横浜で7回目のアフリカ開発会議(TICAD)が開催され、42名の首脳級を含むアフリカ諸国の代表等が参加しました。シンガポールからはゴー・チョクトン名誉上級相が参加し、シンガポールの発展を紹介しつつアジアの経験を生かした持続可能な経済成長への期待が表明されました。
 
 シンガポールは地理的にASEANの中心かつ交通の要衝に位置し、我が国企業の海外拠点の一つの中心として重要な役割を果たしています。日本政府も自由で開かれたインド太平洋の実現のためにシンガポールとの連携は非常に重要であると認識しています。当地では3万6000人を越える在留邦人の皆様が活躍されていますが、シンガポールに拠点を置く日本企業の活動を力強くサポートしてまいります。
 
 シンガポールは東南アジア地域における情報発信の拠点でもあります。昨年10月にはジャパンクリエイティブセンター創立10周年を記念し、文楽のシンガポール初公演を開催することが出来ました。引き続き大使館として多様なイベントを開催していく予定ですので、是非同センターにお立ち寄り頂ければと思います。
 
 本年は、東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。昨年のラグビーワールドカップも大変な盛り上がりでしたが、日本のおもてなしと、東日本大震災からの復興を世界に発信するものとして、令和の時代にふさわしい大会となることを期待しています。これを契機にシンガポールからも更に多くの方々が日本を訪問して頂ければと思っています。
 
 最後になりましたが、皆様のご健康と益々のご発展を祈念致します。
 

シンガポール日本人会 会長 菅原 正人

 新年明けましておめでとうございます。
 AsiaX読者の皆様にシンガポール日本人会を代表して、新年の御挨拶を申し上げます。
 昨年、日本は645年の大化から数えて、248番目となる令和へと年号が変わり、新たな時代の変化を迎えました。改元にあたり、改めて伝統を重んじることと同時に、夢と希望を持って新しい日本の国を切り開いていこうという機運が高まった年でした。
 
 令和という新しい時代の到来に加え、今年は、1964年大会以来56年ぶり2回目となる東京オリンピック・パラリンピックが開催される年です。オリンピックの開催は、スポーツの振興はもとより、経済への貢献、日本の再生・活性化、更には、暮らしやすい環境作り、国際意識の高まり等、多分野にわたり持続性のある社会的効果が期待されています。
 
 最初の東京オリンピックが開催された1964年のシンガポールは、マレーシア連邦から独立する直前の年で、民族間の対立による暴動が多発し戒厳令が敷かれ、将来への展望が見えない不安な社会情勢の最中でした。しかし、未来志向を持った強力なリーダーシップと旺盛な経済政策により数々の危機を乗り越え、今では世界で最も裕福な国の一つとなり、経済競争力ランキング、世界で最も優れた病院ランキング、子供が最も守られている国、世界最高のデジタル銀行等と実に様々なランキングでトップに名を連ね、シンガポール人の生活は56年前に比べて著しく便利で豊かなものとなりました。
 
 日本は、シンガポール独立後も投資、技術移転、貿易促進等シンガポールと経済相互協力を推進してきましたが、同時に、多くのシンガポール在住の日本人の方々が日常生活の中でチャリティ活動やボランティア活動に貢献し、文化・教育・スポーツ等の交流を地道に根強く継続してきたことで、シンガポール人と良好な信頼関係を築きあげてきました。シンガポール日本人会は、戦後、会が再発足した翌年1957年に婦人部によって社会貢献活動が開始され、60年以上経た現在でも、先人の志を引き継いで活動を続けており、さらに大運動会、夏まつり、チンゲイパレードといったイベントを通じて、両国民の文化的な交流の促進に貢献し、当地におけるシンガポール日本人会が果たす役割は大きく評価されています。
 
 東南アジアのハブであり多民族国家であるシンガポールとの良好な関係は、他のアジア諸国との関係をも深めていくことに繋がっていきます。信頼と友情で結ばれた両国の関係が今後も末永く続くよう願い、未来に向けて積極的に交流を深めていきたいと思います。
 
 最後になりましたが、2020年がAsiaXの読者の皆様にとっても実り多き一年になること、そして日本にとって、東京オリンピック・パラリンピックの成功を更なる活力として、明るい未来のスタートになることを祈念し、新年の御挨拶とさせていただきます。
 

シンガポール日本商工会議所 会長 西田 浩之

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 2019年を振り返りますと、5月に令和の時代が幕をあけ、ラグビーワールドカップでは、日本チームの大躍進もあり、大いに盛り上がったのは記憶に新しいところかと思います。また、映画『名探偵コナン 紺青の拳』では、シンガポールが舞台となりました。マリーナ・ベイ・サンズのエレベーター内での殺人と爆破から物語は始まり、その後も各名所が破壊され続けるなど、当地の印象に影響がないか、心配にもなりましたが、日本の方々に、少しでもシンガポールへ関心をお持ち頂くきっかけとなったのではないかとも思っております。
 
 一方で、巨大台風や記録的な豪雨が日本各地を襲い、河川の氾濫や土砂崩れなど、大きな爪痕を残しました。世界に目を向けましても、冷え切る日韓関係や終わりが見えない米中の貿易摩擦、そして、逃亡犯条例改正案を発端とした香港のデモや混迷を極めるBREXITなど、国際情勢の不安定化を示すニュースも絶えませんでした。更にパリの歴史的建造物ノートルダム大聖堂の大規模火災、沖縄の世界文化遺産・首里城跡に立つ首里城の火災といった歴史的遺産の消失といったことも起こりました。本年は、明るいニュースが多くなることを切に願うばかりです。
 
 シンガポール日本商工会議所(JCCI)は、設立から半世紀が過ぎ、本年で51年目を迎えます。昨年10月に実施した設立50周年記念講演会では、リー・シェンロン首相にご登壇を頂き、日本企業への期待についても熱いメッセージを頂きました。次代に向けて、引き続き日星間の経済交流や当地での日本企業の発展に貢献していく所存でございます。
 
 またJCCIでは、事業内容に応じてご所属を頂いている部会の再編に着手し、この度、2020年1月から新しい部会体制で事業運営を行うこととしております。シンガポールが時代の趨勢にあわせて、機動的に変わり続けているように、JCCIも伝統にとらわれず、常に最適な事業体を目指し、活動を実施していければと考えております。
 
 今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。昨年のラグビーワールドカップ同様、日本のアスリートたちが私たちに新たな感動を与えてくれることを期待します。2020年がAsiaX読者の皆様にとって、実り多き年となりますことを祈念致しまして、新年のご挨拶とさせて頂きます。

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