シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP第8回 手遅れにならないうちに考えたい、相続対策

働く人のための資産運用講座

2019年9月25日

第8回 手遅れにならないうちに考えたい、相続対策

 2015 年に相続税が改正され、相続税を支払うことになる人の割合は、2014年の4.4%から 2017年の8.3%に増えました(国税局「相続税の申告状況について」)。それにも関わらず、何も対策をしていない人が多いこと!しかも相当の資産額があるにも関わらず、対策を考え始めるのがかなり遅いようなのです。

 

相続税の基礎控除額はいくら?

 2015 年以降、相続税の基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」となりました。例えば法定相続人が2人の場合、基礎控除額は4200万円まで。つまり、一等地の不動産所有や、預貯金をあわせると一般家庭でも超える可能性があるということです。

 

 そこで相続対策として考えられるのは、不動産や生命保険の活用です。日本では不動産と生命保険の優遇が大きく、特に不動産は、現金などに比べて相続財産の評価額を下げる効果があります。また、小規模宅地の特例などの優遇を受けられる場合も。

 

相続対策としての海外生命保険

 生命保険に関していうと、相続人が取得した生命保険金は「500万円×法定相続人の数」という非課税枠があります。よって、法定相続人が2人なら1000万円までが非課税に。また、被相続人が保険料を支払うことによって相続財産自体を減らしておく効果もあります。

 

 特に海外の生命保険は、日本の生命保険と比べると運用リターンが高いために、安い保険料で多額の死亡保険金を準備することが可能になります。例えば、40歳の男性の場合、保険料の4倍程度の死亡保障を確保できます。相続や事業承継を考える場合は、ユニバーサル生命保険や終身保険など死亡保障を確保できる生命保険を選ぶ必要があります。

 

 ただ、歳をとると死亡保険料が高くなるので、できれば60代までに加入しておきたいものです。70歳以上だと、保険会社によっては加入が難しい場合や保険料に対する保障のレバレッジが小さくなるからです。

 

 また、養老保険と比べると保険料は高額になります。40歳でミニマムの保険料が1000万円以上になる場合も多く、一般家庭には手を出しにくいところがあります。しかし、最近では多くの保険会社で10年払いなど分割で払えるようになりました。先ほどのケースでは、年間保険料を100万円前後に抑えることができます。

 

 しかし、このユニバーサル生命保険、日本にはありません。また、日本居住者は海外の保険に加入をすることが原則としてできません。シンガポールに住んでいる間に相続対策と必要な保険について考えておくとよいかもしれません。

 


花輪 陽子(Yoko Hanawa)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、(国家資格)CFP®認定者
 
『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』 (講談社+α新書)など著書多数。「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多い。
HP:http://yokohanawa.com/
Twitter:@yokohanawa
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