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2012年11月19日

「ビジネスシーンできれいにスーツを着る」ムーブメントを東南アジアで起こす

株式会社コナカ代表取締役社長 湖中謙介さん

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「紳士服のコナカ」、「コナカ・ザ・フラッグ」、「スーツセレクト」、「スマートクロージングO・S・V」などのブランドを展開する株式会社コナカ。紳士服の常識を打ち破る商品を次々と世に送り出してきた同社の代表取締役社長、湖中謙介氏に、今年から本格化した東南アジアでの事業展開やシンガポール市場について伺った。(以下敬称略)

 

 

–海外事業展開について、東南アジアへ展開することになったきっかけは。

湖中海外進出を検討した時に一番に考慮したのが、弊社がその国(地域)での生産体制を確立しているかということでした。もちろん中国での生産も確立していますが、弊社の生産は中国から東南アジア各国、インドにシフトしております。今後は、生産・販売が一体となる事が、その国での小売事業参入における条件とも考えております。
2つ目が、15年程前からタイで生産活動を行っており、人のネットワーク構築が既にできていたことです。候補として挙がった国々をあらゆる面で検討した結果、事業展開がスムーズにかつ有利に行えると判断をして初の海外進出先をタイと決め、バンコクで店舗展開を開始しました。

また、日本では首都圏、関西、北九州など人口100万人を超える大都市がいくつもありますが、タイでは推定人口800万人のバンコクだけ。そこで、東南アジアをひとつの大きな地域としてとらえ、バンコクで一定の店舗を出店しながら近隣諸国の主要都市へ店舗展開を拡大する形を考えております。その流れで、今回シンガポールに出店することとなりました。

 

–東南アジアで、まず「SUIT SELECT」を展開されているのはなぜでしょうか。

湖中日本と違って、東南アジアは若年齢層の人口が非常に多い地域です。スーツを着る人もあまり多くない国で、「ビジネスシーンできれいにスーツを着る」ムーブメントを起こそうという狙いもあります。若い方々、大学などを卒業する学生の方を一番の顧客と考えての展開であることから「SUIT SELECT」のフォーマットを選びました。「SUIT SELECT」業態のブランディングを手がけて頂いているのは、アートディレクターの佐藤可士和氏です。佐藤氏と共に、海外での事業展開を視野に入れてブランドづくりを行ってきましたので、最も適したフォーマットでもあると考えています。

 

–バンコクに出店して、現地での反応はいかがですか。

湖中反応は期待以上でした。数多くの媒体に取り上げていただき、各界の著名な方々からもご愛顧いただいています。また、日本発のスーツブランドということでも大変好評で、雑誌への掲載や口コミによる反響も大きく、来店客数が増加しています。スーツの売上構成比が高いことと、既成のものを調整して仕上げるパターンオーダーが伸びてきていることが想定以上です。

 

–シンガポール市場についてはどのように見ていますか。

湖中若年層が圧倒的に多く、品質の良さや、価格などに加えて、ファッションやスタイルといった点に敏感な世代の方が多いので、トレンドを積極的に取り入れているSUIT SELECT業態での店舗展開はベストだと感じています。また、日本に限らず世界的にファッショントレンドの広がり方が昔より早く、一気に広がる傾向があります。SUIT SELECTのスキニーシルエットの商品などは、流行に敏感な若年世代のお客様に喜んでいただけるのではないかと感じております。

 

–「SUIT SELECT」として、他ブランドとの差別化を特に図っている点は。

湖中ショップのブランディングは、ユニクロなども手がけている佐藤可士和氏のもと、グローバル展開を視野に入れて開発しており、ショップコンセプトや、インテリア、商品構成、接客スタイルまで幅広く監修しています。

お客様にコーディネートを楽しんでいただくための大きな平台“ファンテーブル”を通路中央に設置したり、ウォークインクローゼットを彷彿させるような設計にするなど、競合の激しい日本市場でも大きな差別化を図っています。東南アジアで展開しているさまざまなブランドの店舗と比較しても、オリジナリティーの高いショップ展開として差別化を図れるものと確信しています。

 

–貴社が手がける事業の中で今後一番力を入れたいことは。

湖中生産拠点を活かしたグローバル展開と、きめ細かな接客サービスでお客様に喜んでいただくこと。商品面につきましては当社の商品開発体制である企画・生産から流通・販売までを完全に自社でプロデュースするSPA(製造小売り)システムにより、消費者の皆様に「欲しい」と思っていただけるような新商品を開発し続けることです。

 

–海外の現地社員とのコミュニケーションで特に気を付けていることは。

湖中日本と変えていることは特にありません。「SUIT SELECT」がどのような店であるか、インテリアや雰囲気はどう作っているのか、顧客にどんな印象で映るようにしているか、どのようなサービスの質を目指しているかといった考え方を伝えて、それらを実現するための配慮や身のこなしなどを指導しています。我々独自のノウハウでもあるのですが、1週間程度のトレーニングできちんと接客できるようになります。「飲食業ではありえない」と言われましたね。バンコクで運営している店舗は現在4つありますが、店長も含めてほとんどタイ人のスタッフに任せています。

日本の店だからと日本のやり方の型にはめることはしません。お店に来るお客様に喜んでもらえて、かつ仕事の仲間である社員にも喜んでもらえることが大事です。現地のニーズに流され過ぎるのももちろん良くありませんが、ブランドとしての基本は守りつつ、柔軟さを持つようにしています。

 

–キャリア上または人生において、大きな転機になったことは何でしょうか。

湖中社長になったことですね。実は、社長になることは考えてもいなかったことで、最初に話があった時にはお断りしたんです。しかし、社長になってからの7年間を振り返って今考えると、服飾業界が日本で置かれた状況は本当に厳しいもので大変な時期だったので、自分の年代がトップになっていて良かったと思います。

 

–最後に、アジアエックス読者へのメッセージをお願いします。

湖中当社は創業以来一貫して、スーツを中心としたビジネス衣料に携わり、時代のニーズに対応した商品開発、店舗業態開発、接客サービス、マーケティング戦略などにより成長してまいりました。ぜひ、シンガポールの皆様にも「SUIT SELECT」で安心してお買い物を楽しんでいただきたいと思います。

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1960年生まれ。大阪市出身。1982年、株式会社コナカの前身である日本テーラー株式会社に入社。1991年、株式会社コナカとの合併により取締役商品部長に就任。その後、常務取締役、専務取締役などを経て2005年、45歳の若さで代表取締役社長に就任。株式会社フタタ取締役、コナカエンタープライズ株式会社代表取締役会長なども務める。

 
 スーツセレクト・プラザシンガプーラ店
68 Orchard Road, #03-52 Plaza Singapura, S238839
営業時間 10:00〜22:00
TEL:6835-7018
68 Orchard Road Plaza Singapura, Singapore 238839

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.224(2012年11月19日発行)」に掲載されたものです。
取材=石橋雪江

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