シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP第5回 シンガポールの富裕層向け金融サービスとは

働く人のための資産運用講座

2019年6月25日

第5回 シンガポールの富裕層向け金融サービスとは

シンガポール銀行のプレミアムサービス

 シンガポールでは資産レベルに合わせて、銀行のプレミアムバンクサービスやプライベートバンクサービスなど富裕層向け金融サービスがあります。口座開設の預け入れ基準は各金融機関によって異なりますが、プレミアムバンクサービスは金融機関によっては1,600 万円から 3,000 万円、その上のプライベートバンクは 8,000 万円以上というのが一般です。

 

 また、プライベートバンクやヘッジファンドを利用するには、シンガポールのルールで適格投資家(AI: アクレディテット・インベスター)としての年収や保有資産の基準を満たす必要があります。シンガポールではこの AI かどうかが、大きなポイントとなってきて、一定以上の年収(日本円で 2,400万円程 度)、もしくは保 有資 産の総 額が8,000 万円以上であれば、資産運用の選択肢が大きく広がります。年収には家賃などの手当ても含めることができるので駐在員の中には、この条件を満たす人もいるようです。

 

 まとまった投資金額があると、資産運用の戦略が少し変わってきます。たとえば、銀行のプレミアムバンクサービスやプライベートバンクなどを利用すると、金融機関によってはレバレッジをかけた運用が可能になります。

 

シンガポールにおける富裕層向けの運用

 実際、シンガポールでは、一定以上の資産がある人向けの富裕層金融サービスとして、現金、株式、投資信託、債券、保険などの金融資産を担保にしてレバレッジをかけた運用が可能です。日本では株式の信用取引も6ヶ月以内に精算しなければならないルールがありますが、シンガポールではそういったものはなく住宅ローンのように借り続けることも可能なのです。つまり、一定以上の収入や資産がある人は有利な投資環境を利用することができます。
 
 日本でレバレッジというとFXのイメージが強いかもしれませんが、このような富裕層向け金融サービスでは、外債や債券ファンドなど元本の値動きが手堅い金融商品に対して、2 倍弱などのレバレッジをかけることができます(条件によっては更にかけることもできますが、当然リスクも大きくなります)。そのため、投資先は債券などでリスクを抑えつつ、分配金やクーポンを膨らませていくという戦略が可能になるのです。

 

利回りはどのくらい?

 では、具体的にどれくらいの利回りを狙えるのでしょうか。例えば、投資金額が8,000万円でクーポンが 4.5%の外国債券Aに8,000万円投資をしているとしましょう。それだけでも約360万円のクーポンが出ます。さらにその債券Aの担保掛目が75%だとすると6,000万円の担保価値があるので、その債券Aを担保にして新たな債券Bを購入して運用をすることができるのです。6,000万円を3.5%(4.5%のクーポンマイナス 1%の金利)で運用できれば 210万円を追加で生み出すことができ、クーポンは570万円に膨らみ、約7%のリターンを目指すことができるのです。もちろんレバレッジをかけずに手堅く運用をする人も多いです。リスクをしっかりと理解した上で投資方法を選択していきましょう。
 


花輪 陽子(Yoko Hanawa)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、(国家資格)CFP®認定者
 
『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』 (講談社+α新書)など著書多数。「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多い。
HP:http://yokohanawa.com/
Twitter:@yokohanawa
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この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.347(2019年7月1日発行)」に掲載されたものです。

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