2019年4月25日
Q.「海外居住者が年金記録や年金額を確認するには？」
～ねんきんネットを活用すれば、どこでも確認可能～
私は、渡星して20年近くになる者です。あと数年経てば60歳になるので、年金がもらえるのか、またもらえる場合どのくらいになるのか気になっています。とはいえ、わざわざ帰国して役所で確認するのも面倒なので、できればシンガポールで自分の年金額などを確認したいのですが、何かよい方法はあるのでしょうか。ちなみに、渡星してから年金に加入していませんが、日本に住んでいた時に15年近く会社員だったので、友人からは「10年以上払っているからもらえるはず」と聞いています。（Fさん）
インターネット環境さえあれば、「ねんきんネット」で、24時間どこでもリアルタイムで自分の年金記録を確認することができます。このシステムを利用するためにはIDが必要です。日本年金機構のHP（http://www.nenkin.go.jp/）からID取得の手続きを行なう際には基礎年金番号が必要なので、年金手帳を用意しましょう。手続き後、海外の自宅宛にIDが記載された書類が届くので、日本年金機構のHPで利用登録手続きを行えば完了です。ねんきんネットは、今までの加入履歴や将来の見込み額など確認ができるため、是非活用してください。
ご友人から聞いた通り、10年以上の加入で年金はもらえますが、年金額を少しでも増やしたければ、65歳まで国民年金に任意加入することができます。任意加入すれば、保険料を1ヵ月納めるごとに年額約1,600円が増額されます。保険料は月1万6,410円（2019年度）なので、1万6,410円÷1,600円≒10年となり、計算上は年金の受給開始から約10年以上経過（75歳以上まで生存）すれば元が取れる計算です。日本年金機構のHPを参考にご検討してみてはいかがでしょうか。
▶ このコラムの回答者
武澤 健太郎
社会保険労務士法人 大槻経営労務管理事務所 アジア進出担当 執行役員
文＝社労士大槻オフィスシンガポール
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.345（2019年5月1日発行）」に掲載されたものです。
