シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP第9回 実際に仮想通貨を購入する準備について(1)

仮想通貨入門講座

2018年10月30日

第9回 実際に仮想通貨を購入する準備について(1)

これまでの記事で、仮想通貨の特徴や投資方法について触れてきましたが、今回は実際に購入するとなった際、どのような手順が必要なのかを解説していきます。

口座開設から始めてみましょう!

まず仮想通貨を購入する場所ですが、通常は仮想通貨取引所から購入する事になります。

 

読者の皆さんには株やFXなどの投資をしている方もいると思いますが、その場合、証券会社の口座開設をしますよね?基本的には仮想通貨を購入する場合も同様です。ビットコインやイーサリアムのような主要仮想通貨であれば、ほとんどの仮想通貨取引所が取り扱っていますが、取引所ごとに仮想通貨の取扱通貨や取引量、手数料など違いがあります。皆さんのニーズにあった取引所を探してみることから始めてみましょう。

 

日本ではビットフライヤーが大手取引所として有名ですが、その他にもビットバンクGMOコインなどが現時点でのおすすめとなります。
 シンガポールや他国の取引所としてはLINE社が運営しているBITBOXや、BitstampBINANCEなどが候補となります。

 

口座開設の手続きについては国内外の取引所で、それほど大きな違いはありませんし、名前が知られている取引所であれば口座開設方法を説明したブログなども多くありますので、参照してみるといいでしょう。

 

なお、日本の取引所と海外の取引所には、それぞれ下記のメリットがあります。


日本の取引所 日本語対応なので手続き、サポートの面で安心感がある
海外の取引所 日本の取引所と比べ、取り扱うアルトコインの種類が圧倒的に多い

 

読者の皆さんはシンガポール在住の方が多いと思いますが、万が一トラブルが起きた場合、日本語対応のある取引所であれば安心でしょう。その点では日本の取引所は有力な選択肢となります。

 

海外の取引所については、基本的には英語での対応となりますが、日本の取引所にはない特徴として、ビットコインやイーサリアム、リップルなどの有名な仮想通貨以外にも多くのアルトコインを取り扱っている場合が多いため、投資の選択肢は非常に多くなります。大きな値上がりを期待する場合、既に有名なビットコインよりも投資のリスクは当然大きくなりますが、アルトコインは検討すべき選択肢になるでしょう。

 

口座開設手続きと併せてセキュリティのセットアップも行う必要がありますが、こちらは非常に大事な部分ですので、次回改めてお話しします。

 

実際に購入してみましょう!

口座開設が完了し、入金手続きが完了すれば、実際に仮想通貨を購入することが可能です。仮想通貨を購入できる場所として、「取引所」や「販売所」と書かれている場合があります。非常にわかりにくいと思いますが、簡単に説明すると次の違いがあります。


取引所 個人間で直接売買(株式でいえば証券取引所での購入)。英語ではexchangeと呼ばれる。
販売所 仮想通貨業者(ビットフライヤーなど)が仕入れたものを購入。英語ではOTC(over-the-counter)と呼ばれ、名称にBuy/Sellが付いていることも多い。

 

 

取引所では、株式取引のように、購入したい個人と売りたい個人との間で取引価格が決まります。リアルタイムで値段が変わるため、購入したい値段で約定(購入が確定すること)するかはわからないのですが、その時々において最適な値段で売買が可能となり、「販売所」と比べた場合、安く購入できることが特徴です

 

 

「販売所」の場合、仮想通貨業者が仕入れたものを購入する為、「取引所」のように、「いくらで購入できるかわからない」という不確定要素は少ないといえます。「取引所」と比べて、購入手続きもわかりやすく単純ですが、手数料を上乗せした価格での販売となるため、購入価格は割高になる場合がほとんどです。
魚の購入に例えるならば、「取引所」は市場の競りで購入、「販売所」は魚屋で購入といったところです。魚屋は、競りで仕入れた価格よりも高く売らないと利益が出ないので、当然価格も割高になるわけですね。もちろん売却に関しても、購入時と同じ手順、原理となります。
仮想通貨取引所ごとに多少の違いはありますが、上記を理解していれば、国内外問わず取引できますので、参考にしてみてくださいね。

 

 次回は仮想通貨を扱う上で最重要事項の一つでもあるセキュリティについてお話しします。よく話題になっているコインチェック事件やZaif事件などのハッキングや盗難などは、対策次第で未然に防ぐことが可能です。そのための対策について、皆さんにお伝えします。それではまた次回をお楽しみに。

著者プロフィール
三方 麻琴
M&R Partners Ptd. Ltd.
マネージングダイレクター
鹿児島県出身。株式会社サイバーエージェントFXの法務・コンプライアンス担当を経て、2009年3月に独立。独自で資産運用・トレーディングを学び、ファンド会社運営などを経て、現在は、アメリカ株式、日本株式、FX、CFDの自己勘定トレーディングを行っている。また、資産運用・トレーディングの知識および情報の普及にも力を注ぐ。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.339(2018年11月1日発行)」に掲載されたものです。

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