シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP第5回 仮想通貨の値動きを実際に見てみよう!

仮想通貨入門講座

2018年6月27日

第5回 仮想通貨の値動きを実際に見てみよう!

本連載では、仮想通貨がどういった特徴を持っているのかをお話ししてきました。中長期的に見ると、ブロックチェーン技術をはじめ、仮想通貨技術によって世の中に良い変化をもたらしていくという高い期待が寄せられてきています。

 

しかし、読者の方々の多くにとって現在最も関心が高いのは、仮想通貨が投資対象として有望か否かということでしょう。

 

今回は、「ビットコインやアルトコインが実際にどのような値動きをしているのか?」「今後も仮想通貨の価格は上がっていく可能性があるのか?」などについてお話しします。

 

ビットコインの価格推移について

まずはビットコインを見ていきましょう(図1)。今では考えられない価格ですが、2010年時点の価格は1BTCが約0.2円でした。最高値が約220万円(2017年12月)でしたので、なんと全期間の最高値比で見ると約1,000万倍も上昇したことになります。とんでもない上昇率ですね。

 

 

ビットコインだけでなく仮想通貨が本格的に上昇しはじめたのは2017年からでしたが、2017年年初の最高値比で見ても、約20倍も上昇したことになります。これは、仮に100万円分のビットコインをその時期に購入して保有していたとすれば、12月には約2,000万円まで資産が膨れ上がったことになります。

 

世の中では「億り人」という言葉が流行っていますが、これは、仮想通貨投資によって、資産が1億円を超えた人のことを指し、昨年は多くの「億り人」が生まれました。また、2017年以前からビットコイン投資をしていた方は、さらに大きく資産を増やせたことがチャートからも読み取れます。2018年に入ってからは、国内外で法規制を検討されていることもあって価格が落ち着いています。最高値を付けた2017年12月以降だけを見ると一見下落トレンドのようですが、長期的に見れば右肩上がりの過程であると見ています。その理由は後述します。

 

その他有力アルトコインの価格推移について

次に、ビットコイン以外の仮想通貨群であるアルトコインの代表例として、有力通貨のリップル(XRP)とイーサリアム(ETH)のチャートを見てみましょう(図2)。

 

 

基本的なトレンドはビットコインとあまり変わりませんが、ビットコインが仮想通貨の中でもダントツの知名度を誇り、以前から名が知られていたのに比べて、リップルとイーサリアムは2017年に一気に知れ渡ったため、上昇幅がより大きく、2017年年初からの最高値比で見ると前者が約550倍、後者が約180倍となっています。

 

ビットコインと同じように仮に2017年年初に100万円投資していたと考えてみてください。たった1年、ただ保有していただけでまさに「億り人」、億万長者の仲間入りができたことになります。

 

今後の展望について

 最高値と比べて現在の価格が下落していること、前述した通り各国が規制の議論を進めていることから、今後これまでのトレンド通り上昇していくのか疑問の方も多いと思います。

 

世の中に絶対はなく、どのような方向性になるか私も断言はできません。

 

ただ、投機的な要素がかなり強い現状から、適切な規制がなされ、より多くの用途で仮想通貨が使われるようになると、機関投資家や一般投資家などの市場参加者がどんどん増えていき、価格もあわせて上昇していくことが期待できます

 

黎明期のインターネットや外国為替証拠金取引(FX)市場を思い出してみてください。これらは、環境整備されていくことで大きく発展し、存在が当たり前のものとなりました。仮想通貨も同様の道を辿る可能性は高いと考えられます。

 

また、一般的に安心感の強い法定通貨にも地政学的なリスクがありますし、投資手段としてメジャーな株式投資に関しても個別企業のリスクがあります。これらのことからも、世界中の投資を行う企業や個人が、資産配分の選択肢として仮想通貨を加えることを検討して良い時期に来ているのではないでしょうか

 

実際どのように仮想通貨に投資していくのが良いのか?

仮想通貨のこれまでの価格推移と今後の展望についてお話ししましたが、「では実際どのように仮想通貨に投資すれば良いのか」ということが気になるところだと思います。そこで次回から、「仮想通貨でどのように資産運用していけば良いのか?」についてお話ししていきます。次回もお楽しみに!

著者プロフィール
三方 麻琴
M&R Partners Ptd. Ltd.
マネージングダイレクター
鹿児島県出身。株式会社サイバーエージェントFXの法務・コンプライアンス担当を経て、2009年3月に独立。独自で資産運用・トレーディングを学び、ファンド会社運営などを経て、現在は、アメリカ株式、日本株式、FX、CFDの自己勘定トレーディングを行っている。また、資産運用・トレーディングの知識および情報の普及にも力を注ぐ。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.335(2018年7月1日発行)」に掲載されたものです。

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