シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP第5回 良かれと思ったことが裏目に出る男女脳

職場の人間関係に生かす、男女の脳の違いとは?

2018年1月31日

第5回 良かれと思ったことが裏目に出る男女脳

瞬時の判断を下す際、行動や受け止め方に
男女脳には差があることを覚えておく

冒頭の会社にとっても、優秀な女性脳がいなくなるのは損失ですね。残念な結果を招いてしまうのは、男女脳の違いを知らないから。仕事のスキルなどの学習で得る能力は男女脳でほとんど差がないのですが、男性脳と女性脳は、とっさの快不快、良いと思うことが違うのです。

 

男性脳が、良かれと思って女性脳の提案にダメ出しをする、という話を前回お伝えしましたが、提案以外でも、共感してほしい女性脳からの話しかけに、まず否定で返す男性脳は、女性脳をひどく傷つけています。男性脳に悪気はないのですから、なぜ人間関係が悪くなるのか、わからないですよね。

 

互いに相手の良いところが、理解できないだけでなく、不快に感じてしまうのは、本当に残念です。けれども、全く違う感性の男女、これが遺伝子に書き込まれた最強のしくみなのでしょう。人類が誕生してから今までずっと種が繁栄してきたのですから。私たちは、この男女脳の違いに振り回されずに、教育プログラムを作ったり、社内改革をしたりと、その会社にあった活用をする段階にきています。

 

※ここで言う「男性脳」「女性脳」は下記です。
男性脳:右左脳をつなぐ脳梁の連携をあまりしないタイプの脳のこと
女性脳:右左脳をつなぐ脳梁の連携が頻繁なタイプの脳のこと

326web_MsTezuka著者プロフィール
手塚 祐基
 (てづか ゆうき)

株式会社感性リサーチ 客員研究員 感性アナリスト、プロダクトデザイナー

 

1985年、東京芸術大学卒業後、時計製造会社で腕時計のデザインに携わる。2006年、「怪獣の名前はなぜガギグゲゴなのか」で知られる感性研究の第一人者、黒川伊保子氏の感性理論に出会い師事する。現在は感性研究の実績を生かし、製品開発やネーミングのコンサルティングおよび、ジェトロ岐阜やアジアエックス主催のシンガポール講演など、企業向け講演活動を行う。倉敷芸術科学大学非常勤講師。筑波大学感性認知脳科学専攻の研究セミナー、工学院大学情報デザイン課セミナー、東京大学大学院情報学環主催セミナーなどの講師も務める。著書に、共著『人は語感で いい・悪いを決める』(KAWADE夢文庫)。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.330(2018年2月1日発行)」に掲載されたものです。

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