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海外進出「社会保険・労務管理」

2017年11月27日

Q.医療費の7割分が戻ってくるんじゃないの!?~海外で治療した場合でも健康保険が使えるのか~

私は、今年の4月から海外赴任しています。先日、食事をしていた時に銀歯が取れてしまったため、シンガポールの歯医者にはじめてかかりました。ただ、歯医者では民間の医療保険が使えず、全額自費で治療することになりました。治療費があまりにも高額になりそうなので、「なんとかならないか」と、会社に相談したところ「海外療養費」という手続きをすれば健康保険から負担した額の7割分が戻ってくる旨の説明を受けました。そこで、海外療養費の手続きをしたのですが、なぜか2割程度しか返金されませんでした。理由をご教示ください。(Mさん)

 

「海外療養費」は、実際に病院などで自己負担した額の7割分が返金されるわけではありません。健康保険は、日本国内であれば、ほとんどの病院で保険証を提示することによって受診できます。しかし、海外の病院では保険証を利用することができないので、海外で病院にかかる場合には、いったん、治療費を全額自己負担し、その後、保険者に対し7割相当分を請求することになります。この制度を海外療養費制度といいます。

 

なお、手続きには、①海外療養費支給申請書、②診療内容明細書(日本語訳)、③領収明細書(日本語訳)、④領収書の原本、⑤渡航期間がわかるパスポートの写しが必要となります。

 

ご質問の返金額についてですが、海外療養費は、あくまでも「日本国内で同じ病気を治療した場合」にかかる治療費の7割相当分しか返還されません。つまり、海外の病院で実際に支払った治療費の7割分が返還されるわけではないのです。したがって、Mさんのように返金額が、海外の病院で実際に支払った治療費と大きく異なることは当然ありうるというわけです。

社労士大槻オフィスシンガポール

80 Robinson Road #10-01A Singapore 068898
ご相談は、Emailにてご連絡ください(担当:武田 正行)

文=社労士大槻オフィスシンガポール

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.328(2017年12月1日発行)」に掲載されたものです。

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