2017年4月25日
第2回 デモトレードで練習しよう(前編)
会社の給料もなかなか上がらないし、老後にちゃんと年金がもらえるのか心配……お金に関する不安は多くの人が抱えているはず。このコーナーではM&R Partnersの三方麻琴氏が、初心者の人にも分かりやすいよう資産運用のポイントを解説、 実際に利益を出すまでの手順についてレクチャーします。
前回は、銘柄の選び方や購入量の計算方法について説明しました。今回は実際に投資する銘柄を選び、購入量を決定、そしてデモトレードでエントリーするまでの流れについて解説していきます。
編集I:それでは、前回に続いて米国株式投資のポイントについて教えていただきたいと思います。しかし、いきなり本番の環境でトレードするのはやっぱり不安なので、まずはしっかりデモトレードで株式投資の流れを把握しておきたいと思っています。よろしくお願いします。
三方:はい。それではまず、銘柄選びから始めましょう。私のスクールでは、前回紹介した米国株式の情報提供サイトであるFinviz.comを使い、有望なものを観察銘柄として複数ピックアップし、月ごとにお知らせしています。観察銘柄のうち、チャンスが来たものについてエントリーするというのが基本的な流れになります。
編集I:観察銘柄って、いくつくらいあるのですか?
三方:月によって違いはありますが、今年3月の場合、買い銘柄が20、売りが16くらいでした。値動きが出そうなものに絞っているので、トレードする人の負担も少ないと言えます。
今回は、24種類を観察銘柄としてウォッチしていきます。観察銘柄の抽出方法はFinviz.comで、ファンダメンタルとテクニカルの両方の面で決まった条件を入力して絞り込んでいきます。これは知っていればワンタッチでできることなので、とても簡単です。
編集I:これらの銘柄を毎日チェックすればいいということですね。実際に売買する銘柄はどうやって決めればいいのでしょうか。
三方:売買する銘柄は、観察銘柄の中で、チャートに買いのサインが出ているものを選びます。買いのサインには以下の3つがあります。
①上昇トレンドに転じる時
②ボックス相場の抵抗線をブレイクした時
③上昇トレンドの中で支持線にぶつかって反転した時
ボックス相場とは、一定の株価の範囲内で、株価が上がったり下がったりを繰り返す相場のことです。ボックス圏、保ち合いとも言われます。
また支持線とは、株価がこれ以上は下がりにくいという境界線のことです。多くの投資家がこの支持線を意識しており、株価が支持線に近づくと、買い注文が入り、株価が上昇する傾向があります。これと反対のワードは抵抗線になります。
今回の観察銘柄では、Automatic Data Processing(ティッカーシンボル:ADP)で、2017年4月7日に③の買いのサインが出ているので、この銘柄を買ってみましょう。
編集I:エントリーの前に購入量を決める必要がありますね。
三方:前回紹介した公式に基づいて計算してみましょう。公式はこうでしたね。
適切な購入量(株式数)=(取引当たり許容リスク(%)×投資資金)÷(購入金額 – 損切り価格)
取引あたりの許容リスクについて、上級者になるまでは1%にしようと前回説明しました。今回の予算は3,000Sドルなので、計算式は以下のようになります。
(1%×USD3,000)÷(USD101.98–USD99.79)= 13.6
ということで、13株を購入してみましょう。
適正な損切価格を決めるポイントはいくつかあり、私が教えるスクールでは決まったルールで損切価格を決めています。今回はそのルールに従って損切り注文を入れます。