シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP第2回 シンガポールの法人税

知っておきたい シンガポールの税制度

2017年1月1日

第2回 シンガポールの法人税

2回目は、シンガポールの税収のうち最も大きな割合を占める「法人税」についてお話しします。日本では、法人税は「法人税法」に定められていますが、シンガポールには「法人税法」という法律はありません。シンガポールでは、法人も個人も所得に対する課税は全て「所得税法」の中に定められています。従って、シンガポールの法人税は、「法人の所得税」と言う方が適切かもしれませんが、ここでは便宜的に「法人税」と称します。

 

シンガポールの所得税(法人税も含む)は、原則として1月1日から12月31日までの暦年の所得について、その翌年に課税されます。但し、法人が12月31日以外の日を決算日として会計を行っている場合には、その法人の全ての所得について会計年度を基準にして申告することが認められています。所得税が賦課決定される年度を賦課年度(Year of Assessment=YA)と称し、申告・納税・税制改正の適用時期など、シンガポールの所得税に関するたいていのことはこの賦課年度で語られます。

 

納税義務者は、居住者と非居住者に区別され、それぞれ税務上の取り扱いが異なります。法人の場合、シンガポールで管理・統括を行っている法人が居住者として扱われます。従って、シンガポールで会社を設立しただけでは、居住法人と見なされない場合があります。シンガポールで登記される外国会社のシンガポール支店は、管理・統括が本社で行われているため、非居住法人として取り扱われます。居住法人も非居住法人も、税務上の取り扱いに大きな違いはありませんが、外国税額控除やシンガポールで受け取った所定の国外源泉所得の免税などは、居住法人にしか適用されません。

 

シンガポールは、課税原則に属地主義を採用しており、個人も法人も、シンガポールで発生した所得、シンガポールで稼得した所得、シンガポール国外で得た所得のうちシンガポールで受け取った所得について課税されます。ただし、個人(パートナーシップを除く)がシンガポールで受け取った国外源泉所得は2005賦課年度より免税とされています。

 

さらに所得税法では、課税対象となる所得の種類について、①事業所得②雇用所得③配当、利子、割引料④年金、養育費、年金保険⑤賃貸料、使用料、礼金、その他資産から生じる所得⑥その他上記に該当しない利得または利益、の6つに分類しており、法人の場合には、このうちの②と④を除く4つが該当します。

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