2017年1月1日
Q.老後の年金が10年でもらえるようになった!?
はい。その通りになります。現在、日本の年金(老齢基礎年金)は、原則25年(300月)保険料を掛けていなければ老後に年金を1円ももらえない制度です。ただ、この25年という期間は長く、要件を満たせず納めた保険料は掛け捨て、そして老後は無年金となってしまう方も年々多くなっていました。そのため、平成24年の法改正で「消費税が10%に上がった段階で年金の受給資格期間を25年から10年に短縮する」ことが決まっていました。ご承知の通り消費税増税が先送りされましたが、「無年金問題は喫緊の課題」であることから、政府は平成29年8月1日付で法改正し、翌9月分から年金を10年で支給することを決めたのです。
ところで、この10年にカウントされる期間ですが、保険料を納付していた期間や免除されていた期間だけではなく、住民票を除いて海外に居住していた期間も含まれます。つまり、日本で保険料を納付していた期間だけでカウントするわけではないのでご注意ください。なお、すでに65歳以上の方で、納付期間が25年に足らなかったために年金を受給していない方も、来年から保険料を納めた期間などが10年あればもらえるようになります。しかし、裁定請求などご自身で必要な手続きをする必要がありますので、今後は日本年金機構のホームページを定期的に確認した方が良いでしょう。
社労士大槻オフィスシンガポール
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この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.316(2017年1月1日発行)」に掲載されたものです。