2016年11月22日
ブランディング編 最終回 日本企業が世界で勝つために必要なこと
最終回は、ブランディングの視点で日本企業が世界で勝つために必要なことは何か?を考えていきたいと思います。
前回、リオ五輪の閉会式で行われた「TOKYO2020」セレモニーで、マンガやゲームの人気キャラクターが日本にとっての世界に誇る「ジャパン・ブランド」であるという強い印象を残したことをお話ししました。世界から見た日本の印象も、テクノロジーを牽引した国から、感性豊かな文化発信をする国へ移行しているのかもしれませんね。
世界の先進国においても、工業化時代から情報化時代へ、さらにコンセプトの時代へと進みました。前回お伝えした通り、情報分野はどんどんAI(人口知能)の領域となり、私たちに求められるのは人々の感性に働きかけるコンセプト作りになってきます。だからこそ、日本人として恵まれた感性・美学、デザインを大切にしていきたいと考えます。
デザインとは、何らかの問題解決をしていきたいという思いとシステムです。そして、人々を魅了する世界観を作ることもデザインと言えるかもしれません。これまでお伝えしてきたブランディング論のベースである、「信の旗」作り、ご愛顧を生む「ブランドの架け橋」作りもデザインですね。世界で勝負するには、この変化・世界観をもたらすデザインを描けるリーダーが必要となってきます。
それでは、デザインができる新しいリーダー像とはどんな人でしょうか。
私は、「幸せにしたい人に何を届けるか」という明確なイメージのもとに、変化を恐れず挑める人だと思います。伝統的な方法に縛られず、マニュアル通りの仕事から脱却し、失敗を経験に変え、状況に応じてを繰り返し改善できる人。行動を起こさないことが最大のリスクと考え、創造力の限界を設けない人です。このようなリーダーは、論理的な分析だけではなく、直感力にも優れています。
そして感性を磨き続けることで、人々が惹かれ、親密なネットワークが生まれ、共通の価値観を広げることができます。そうすると提供する商品・サービス、その世界観が人々の人生や生活に意味・変化をもたらします。さらにモノだけではなく、幸せな経験・体験の提供を重ねていくことができます。