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新規進出企業レポート

2016年11月14日

シーアールイー(CRE Asia Pte. Ltd.)物流不動産事業で50年の実績 国内でのネットワーク生かし海外へ

このほか海外展開で重要な点として、伊藤氏は倉庫設計の汎用性を挙げる。倉庫の設計や建設コストは、クライアントの業種や取り扱う荷物によってさまざま。例えば、医薬品などかさばらない荷物を扱う場合、あまり広い作業スペースは必要ないため、倉庫内の柱と柱の間隔を狭くすることができる。逆に間隔を広くするほど、その分少ない柱で倉庫を支えることになり建築コストは増加する。柱の間隔を狭く設計すれば建築コストを抑えることができるが、将来大きな荷物を扱うテナントを誘致できなくなる可能性がある。「クライアントが契約締結から10~15年で退去することも考えられます。最初のクライアントの意向を汲みすぎると、次のテナントを見つけるのが難しくなることもあるため、倉庫にある程度の汎用性を持たせることが重要です」。長期的視野に立った倉庫設計についても、国内でのノウハウを生かせるという。

 

一方で、東南アジアでの事業展開には、特有の難しさもあると伊藤氏は話す。「ベトナムやインドネシアでは停電が比較的頻繁に起きるため、冷蔵・冷凍庫のある倉庫は、バックアップ電源が必要となります。その国の状況に合わせたオーダーメイドが必要になることもあります」。同社は日本国内で培ったネットワークや豊富なノウハウを軸に、現地の状況も鑑みながら多様な借庫ニーズに対応していく考えだ。

 

会社プロフィール
CREの100%子会社として、東南アジアにおける物流施設の開発、保有、賃貸、管理などを行う。

CRE Asia Pte. Ltd.

80 Robinson Road #10-01A Singapore 068898

http://www.cre-jpn.com

取材後記

1997年に大学を卒業後、銀行勤務を経て2002年から10年以上にわたり不動産ファンドのアドバイザリーやマネジメントに携わったという伊藤氏。自身で立ち上げたファンドマネジメントの会社を2014年にCREに売却した後、CREの取締役を経て、現在は子会社であるファンドマネジメント会社の代表取締役などを務める。

グループにおける自身の役割については「新しい事業領域に展開していく役割を担っている」と話す。そうした中、CREは氏によって働きやすい環境のようだ。「連結ベースで約150人の会社なので、意思疎通が比較的容易で、自分のやりたいことや取り組むべきと思うことについても主張できます。こうした風通しの良さが、モチベーションを高めてくれます」。

80 Robinson Road #10-01A Singapore 068898

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.314(2016年11月21日発行)」に掲載されたものです。

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