シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP日本の会社を退職。健康保険は残せる!?

海外進出「社会保険・労務管理」

2016年11月7日

Q.日本の会社を退職。健康保険は残せる!?

シンガポールの現地法人に3年近く出向しています。このたび日本の会社を退職し、正式に現地法人に入社するのですが、現在、日本法人で加入している健康保険はどうなるのでしょうか。近々、妻が日本で手術を受けるので、できれば何らかの形で今の健康保険を使えるようにしたいです。なお、日本に住民票は残していません。(Fさん)

 

日本の会社を退職すれば、現在加入している社会保険(健康保険・厚生年金保険)は資格を喪失することになりますが、健康保険については、一定の要件さえ満たせば任意継続被保険者として、引き続き健康保険に加入することができます。任意継続被保険者とは、在職時の2倍の保険料(上限あり)を支払うことにより健康保険に継続して加入できる制度です。具体的な手続きは、加入していた健保組合などに、退職後必要な書類を届け出れば良いのですが、残念ながらほとんどの健保組合は届出後に発行される保険証や保険料の納付書を海外の住所に郵送してくれません。そこで、ご家族の方などに協力してもらい、日本国内で書類のやり取りを代わりにしてもらう必要があります。ちなみに、保険料については、原則的に毎月の納付書に従って納付することになりますが、日本に銀行口座があれば口座振替も可能です。

 

なお、任意継続被保険者の手続きで一番注意が必要なのは、申請期限が退職日の翌日から20日間以内ということです。この申請期限を1日でも過ぎてしまうと、任意継続被保険者になれません。したがって申請期限については特に注意が必要なため、退職前から早めに準備しておいた方がよいでしょう。ところで、日本に住民票を残していないため、年金は強制加入ではなくなります。将来の年金を少しでも増やしたければ国民年金に任意加入するのも1つの手です。

社労士大槻オフィスシンガポール

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文=社労士大槻オフィスシンガポール

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.313(2016年11月7日発行)」に掲載されたものです。

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