金物店を改装し人気のカフェに シンガポールのコーヒー市場拡大に貢献

―シンガポールにおけるコーヒーのニーズについてどうお考えでしょうか。

シンガポールには、オーストラリアや欧州のほか、他のアジアの国から来た人も多く、その意味でコーヒーへの嗜好にも多様性があるといえます。今後事業を拡大していくには、新しいコーヒーについていろいろな展開の仕方を試しながら、顧客ニーズをつかむことが重要です。「Keep trying our best」の考え方のもと、常に試行錯誤を続けることで、より良いコーヒーを提供できるようになると思っています。

―マレーシアでの事業展開についてはいかがでしょうか。

パルプはシンガポールからも近く、シンガポールで焙煎したコーヒー豆を直送しています。さらにこの店は、マレーシア国内にある20～30軒のカフェにコーヒー豆を提供しており、物流センターとしての役割も果たしています。

シンガポール人とマレーシア人を比べると、コーヒーへの嗜好は似ていると思います。一方でマレーシアは、シンガポールに比べ人口が多い分、成長余力の大きい重要な市場だと考えています。ただし新商品などについては、まず大都会で流行に敏感なシンガポールで試してから、というのが基本的なやり方になります。

―日本とシンガポールにおけるコーヒー市場の違いについてどのようにご覧になっていますか。

日本はシンガポールに比べ市場が大きく、いいロースターもたくさんあり、コーヒー文化はより洗練されていると思います。シンガポールは日本のコーヒー文化から多くのことを学べるでしょう。

―最後に、仕事のやりがいやポリシーについて教えて下さい。

心を込めて淹れたコーヒーはアートだと思っており、それをお客様に提供できるところがこの仕事の魅力です。またコーヒー豆に対する農園のこだわりや裏話などについて、お客様に興味を持ってもらえることも多く、仕事のやりがいにつながっています。

仕事をするうえでは、共に働く仲間を大切にしたいと常々思っています。自分のためだけに働くのではなく、パパ・パルヘタのメンバーとともに、これからもいろいろなことを学びながら成長していきたいと思います。