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シンガポールEYE

2015年10月5日

革新的な製品でくらしを便利に シンガポールとともに成長してきた50年

花王シンガポール(コンシューマープロダクツ)社長 ロナルド・ヨン(Ronald Yong)氏

建国50周年のお祝いムードが続くシンガポールで、同じく50周年の節目を迎えた花王シンガポール。世界の大手消費財メーカーが数多く進出するこの国で現在18ブランドを展開、「ビオレ」「マジックリン」「アタック」といった日本でもお馴染みの商品がシンガポールの日常生活にすっかり浸透している。シンガポールをはじめアジアでの2014年度の家庭品の売り上げは前年比約20%増加、グループ全体の売り上げの約15%をアジアが占めるまでになっている。この半世紀で国の発展とともに存在感のあるグローバル企業に成長した背景や、今後の展望についてロナルド・ヨン社長に伺った。

 

― 国と一緒に50周年を迎えたことに、どのような思いをお持ちですか?

非常に特別な思いがあります。花王シンガポールの歴代トップが長らく日本人だった中で、この記念すべき節目の年に社長を務めているのがシンガポール人の私であるということ、しかも愛する国と一緒に50周年を祝えるというわけですから誠に感慨深いものがあります。花王シンガポール初のシンガポール出身社長としてとても誇らしい思いでこの年を迎えました。

― 国の独立とともに歩んだ50年ですが、1965年当時の会社のことは何かご存知ですか?

アジアの小国として弱々しく誕生したシンガポール同様、弊社もまた非常に小さな会社からのスタートだったようです。しかし、当初から会社への忠誠心やチームワークの精神など、日本的な文化が導入されていたと聞いています。これは私が入社した35年前にも強く感じたことです。私が入社した1980年当時、社員はわずか30人程度だったと記憶していますが、自分の会社の商品をこの国に浸透させようと全員が一丸となっていました。その根底には目の前にある商品が非常に革新的で将来性があると信じる気持ちが全員にあったからです。当時兵役を終えたばかりの新人の私がこの会社への入社を決めたのも、そうした革新性や将来性を強く感じたからでした。

― どのような点が革新的だったのでしょうか?

289web_kao-sub当時販売していたのはわずか2、3種類の商品でしたが、そのうちのひとつに粉末の「フェザーシャンプー」があります。これは髪も身体も一個の石鹸で一緒に洗えるというシンガポール人の概念を覆すものでした。しかも全く新しいものであるにも関わらず、当時としても非常に安価な20セントほどで買えたので、髪はシャンプーで洗うという習慣をシンガポール人に根付かせることができたのです。

 

― この50年でここまで存在感のある企業に成長した要因は何だとお考えですか?

その質問に対する答えもやはり「革新性」ですね。ヘアケア商品ひとつとってみても、フケ取り効果の高いシャンプーから、シャンプーとあわせて使うコンディショナーなど、幅広い世代の人たちに斬新と思わせる商品を次々と導入していきました。掃除用洗剤も然り。床用、キッチン用、トイレ用と専用の洗剤を売り出し、それまで家中を1種類の洗剤で掃除していた主婦たちを、専用洗剤がもたらす劇的な効果で驚かせました。もちろん、新しいからといってむやみやたらになんでも投入したわけではありません。新しいものをすぐに受け入れられない世代もありますし、日本でのヒット商品がシンガポールで必ずしも売れるとは限りませんから。そのために販売だけでなく、市場調査やマーケティングもシンガポールで行い、消費者行動の変化に合わせた商品を提供することに注力、この国に根を下ろした事業展開を行ってきました。

― いまやシンガポールは世界有数の富裕国に成長しました。これまでの市場の変化をどのように感じていらっしゃいますか?

今のシンガポール人は、もはや35年前に20セントのシャンプーをこぞって買っていた頃の国民ではありません。シンガポールは今や生活費が高い世界の都市ランキングで首位に立つこともあるほどになり、人々の生活水準は高く、おしゃれで洗練された消費者に成長しました。その過程で弊社は、シンガポールで初めてとなる泡タイプのヘアカラー「リーゼクリーミーバブルカラー」や、蒸気で目元を温めるアイマスク「めぐりズム」といった商品の需要性を確信して発売し、ヒットさせています。また、弊社のベストセラーのひとつである紙おむつ「メリーズ」には「子供のおむつかぶれがなくなったので使い続けたい」と喜びの声が多数寄せられています。消費者の購買力が増し、他社の製品と比べて多少割高でもクオリティの高いものにお金を払うというマインドが育ってきているのです。

― シンガポール市場には世界中の消費財メーカーが次々と新商品を投入しています。そうした中で貴社の強みとは何でしょう?

「もっと良いものを」という消費者の要求に応えるべく、弊社はロングセラー商品にばかり頼らず、革新的な商品を一つ一つ届ける努力を重ねてきています。そして商品を着実に浸透させることに成功した結果、シンガポール人にとって「花王=ヘアケア製品メーカー」だった1980年代から、1990年代には「家庭用品メーカー」へ、2000年代には「生活に密着したグローバル企業」というイメージにまで発展させることができました。
革新的な商品を出し続けるという華やかな事業展開の裏には、半世紀に渡るこれまでの地道な販売努力があります。これこそが簡単には崩れない弊社の強さの基礎を作っていると思います。私の入社当時の35年前に話を戻しますと、私を含む営業マン1人1人が誰も行かないような郊外にまで商品を届け、直接販売していました。そうした努力が国の隅々まで花王ブランドを広めたという自負があります。

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