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新規進出企業レポート

2016年3月7日

感情に訴えるコミュニケーションツール 民間企業への認知度向上を図る

RISO (SG) PTE. LTD.

オフィスなどでペーパーレス化が進む昨今だが、印刷物には常に一定のニーズがある。また、手触りといった質感を通じてメッセージを伝えることができるなど、紙にはオンライン媒体にはない良さがある。
「今後も紙の良さを伝えていきたいと思います。見た目だけでなく感覚やインクの匂いも通じて、感情に訴えられるようなコミュニケーションツールとして何を提供できるか、追求していきたい」。こう語るのは、RISO (SG) PTE. LTD.の中島宏昌社長だ。
1946年の創業後、1980年代から海外展開を始めた理想科学工業。高速カラープリンター「オルフィス」やデジタル印刷機「リソグラフ」などを世に送り出してきた。現在では世界に24の子会社を持つ。シンガポールでも28年に渡り、現地ディーラーを通じて製品を販売してきたが、国内市場のさらなる開拓に向け2015年7月にRISO (SG) PTE. LTDを設立した。扱うのはすべて理想科学工業の製品で、新規顧客の開拓から販売、保守を主に手掛ける。
理想科学工業の事業方針は「多枚数プリントを速く、簡単に低ランニングコストで提供する」。シンガポール拠点もこうした方針のもと、市場の開拓を進めている。シンガポールでは、コンドミニアム賃貸や資産運用などさまざまなチラシが配布されているが、必要以上に費用をかけているのではないか、というものもあるという。そこで、多枚数印刷を低コストで提供する同社の強みが活かせると見込む。さらに中島社長は、プリンターの汎用性もアピールする。
「当社のプリンターは、薄い紙から厚い紙、封筒まで紙質を選ばず印刷ができます。コピー用紙だけでなく、カラフルなものや金箔のついたものなどいろいろな種類の紙を使い、慣習や時機にあった形でメッセージを伝えていくこともできます。」

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日本企業向け窓口も設置予定
進出企業にアプローチ

「世界に類のないものをつくる」「大企業にできないことをする」といった理念のもと、製品の独自性を重視してきた理想科学工業。主力製品のひとつであるオルフィスEXシリーズは、海外では「コムカラー」として売り出している。「カラープリントは印刷が遅く、コストも高い」とされる中、1分間に150枚の高速印刷が可能で、カラー1枚あたり1.56円※1という低コストが売りだ。

 

同社の製品は学校向けの普及度が高いのが特徴で、デジタル印刷機「リソグラフ」はシンガポールを含む世界約150ヵ国に輸出しているという。目下のシンガポール拠点の目標は、PR活動などを通じて民間企業への認知度を高めていくこと。さらに日本企業向けの窓口も設置する予定で、中島社長は「母国語同士で会話できるのはやはり重要」と話す。シンガポールへ進出する日本企業にもアプローチし、さらなる成長を目指す考えだ。※1: 理想科学のウェブサイトより抜粋

 

会社プロフィール
プリンター・印刷機の製造・販売などを手掛ける理想科学工業の海外子会社の1社で、2015年に設立。企業や学校、政府向けに主に高速カラープリンターやデジタル印刷機を展開。高速かつ大容量、低コストの印刷ソリューションを提供している。

RISO (SG) PTE. LTD.
60 Paya Lebar Road # 10-29
PAYA LEBAR SQUARE Singapore 409051
Tel: 6384-7181
www.riso.com.sg

取材後記

東京都出身の中島社長は、フィールドテクニシャンとして入社後、京都支店長や国内・海外の技術部長を歴任してきた。シンガポール拠点では「笑顔が絶えない事務所、環境をつくるのが一番重要な任務」と話す。社員のほとんどはシンガポール人だが、毎日表情を見て、気になった社員には声をかけるよう心がけている。

趣味はラジコンの製作、それも実際の飛行機やヘリコプターをダウンサイズした本格的なもので、その大きさは1メートルを超える。照明灯をつける位置まで実物と同じ、というこだわりがある。

座右の銘は「有言実行」。自分が宣言したことを実行することで習慣が変わり人格も向上、さらに運命も変わっていくという考え方で、日本で勤めていたころに上司から学んだという。

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