2011年1月17日
リーダーの説明責任
リーダーで最も大切なことは「思い」であると私は考えます。しかし、思いだけではリーダーは務まらないのも事実です。
次に何が必要なのかと言うと、その思いを言葉と言う道具に乗せて、「説明をする」「理解させる」「納得させる」というコミュニケーション能力というかスピーカーとしての能力も問われます。
特に偉くなればなるほど、株主や社会に対して業績開示・問題開示・ビジョンなどの説明責任がいたるところで問われてきます。
リーダーは、用意された紙を読むのではなく、自分の言葉にして社会や社員・部下に対して分かりやすく説明していく能力が問われます。
状況の認知能力や変化への対応力が非常に優れているリーダーであっても、組織を動かしていくには、個人の能力では限界があります。
組織が大きくなればなるほど、リーダー自身が感じている内容を他人に説明し、理解させ、納得させていかなければなりません。
つまり、新しい道を開くリーダーは、不確定な未来に対しての進路を自らの直感により定め、理念やビジョンとして組織の内外に提示するだけではなく、それを具体的目標に変換して現実と連動させていくことが必要になります。
そのためには、対話や共通の体験を通じて、核となっている抽象的概念を他人に理解させ、具体的な表現で説明していくことが求められます。
特にグローバル化する世の中では、難しいことを分かりやすく、やさしく、楽しく、深く、伝える力が問われるのではないでしょうか。
経営塾開催のお知らせ
アジアエックスとリーダーズアカデミーで、「経営者の塾であり、経営者を育てる塾」というコンセプトで、”経営塾”という学びと交流の場を毎月提供します。
シンガポールには、たくさんの日本人起業家及びビジネスマンがいます。ところが、大学のOB会、スポーツ、飲み会などの切り口で集まるコミュニティーがあるにもかかわらず、日本人起業家同士が集まって、ビジネスを中心とした情報交換をしたり、学びあったりする交流の場がないことに気付きました。そこで、アジアエックスとリーダーズアカデミーの共催で『シンガポールで頑張る日本人経営者及び経営を学びたい人を応援する』とういう目的で設立されたのが”経営塾”です。
この度、広くみなさまからの参加を募っていくことになりましたので、ご興味のある方はぜひ見学にいらしてください。
詳細はこちら⇒ http://bit.ly/gAYtYh
文=嶋津良智(しまづよしのり)
株式会社リーダーズアカデミー代表、シンガポール在住。
2度の株式上場体験を活かし、日本・シンガポールを始め、アジアを中心に経営コンサルとして活動。世界9ヵ国12都市でチャリティーセミナー実施。
最強の部下を育成し、最強の組織を作る、業績向上のための独自プログラム『上司学』が好評を博す。著書7冊執筆、韓国・台湾でも翻訳されている。
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.182(2011年01月17日発行)」に掲載されたものです。