シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP収入があると年金は減額される!?

海外進出「社会保険・労務管理」

2015年8月17日

Q.収入があると年金は減額される!?

5年前に会社を退職して渡星した61歳男性です。61歳になったら厚生年金を受給できるものと思っていましたが、元同僚から「収入がある程度あると年金はもらえない」と言われました。今は会社を引退して個人的に資産運用し、わずかながら収入を得ているのですが、収入があれば年金はもらえないのでしょうか? (シンガポール在住 Eさん)

 

Eさんの場合は収入がいくらであっても年金は減額されずに満額もらえます。一方、年金受給者が会社で働き厚生年金に加入している場合には、その収入に応じて年金が全部または一部カットされ、これを「在職老齢年金」といいます。具体的には給与+賞与(1/12)と年金月額が、28万円を超える場合には年金が減額されて支給されます。たとえば、給与30万円(賞与なし)で年金が月額10万円のケースでは、合計40万円となり、28万円を超えるので、減額となります。具体的な計算方法は10万-(30万+10万-28万)÷2=4万となり、本来年金が10万円もらえるところ6万円減額され、4万円しかもらえないことになります。なお、給与や年金の金額によって、計算式が異なりますのでご注意ください。
在職老齢年金は厚生年金に加入しながら年金を受給するケースに限ります。つまり、Eさんのように会社を退職されて厚生年金に加入していなければ、たとえ資産運用の収入がどれだけあっても年金は減額されません。なお、海外在住者も当然年金はもらえますが、在留資格証明書や租税条約に関する届出書など海外在住特有の書類を準備する必要があります。配偶者がいる場合には収入証明等も必要となってくるため、あらかじめ年金事務所に相談のうえ手続きされることをお勧めします。

 

社労士大槻オフィスシンガポール

80 Robinson Road #10-01A Singapore 068898
ご相談は、Emailにてご連絡ください(担当:武田 正行)。

文=社労士大槻オフィスシンガポール

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.286(2015年08月17日発行)」に掲載されたものです。

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