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ビジネス4賢者が送る、成功への道しるべ

2015年2月2日

プレゼンテーション編〈第4回〉英語プレゼンのDo’s&Don’ts(「べし」と「べからず」)を知って、ここ一番を乗り切ろう

いきなりですが、英語プレゼン理解度テストです。以下のそれぞれのコメントに○×をつけてみてください。

 

□はじめに「自分は英語が下手である」ことを言っておいた方が、誠意が伝わる
□英語プレゼンなので、はじめにジョークが言った方がいい
□話すことを全部スライドに書いて、それを読み上げた方がスムーズで、間違いもないので安全なやり方である
□まじめな内容を話すプレゼンでは、笑顔はなくてもよい

 

どうだったでしょうか? 答えは全て「×」です。1つずつ解説していきましょう。

 

まずは、1つめの「英語が下手だ」という前置きに関して。実際、これを言ってから始める日本人は少なくないのですが、英語スピーカーからすると、言い訳がましくて、とても聞き苦しいそうです。日本は「恥の文化」がとても強いため、こういったコメントは受け入れられるのですが、日本以外の国はほぼそれはありません。English Speakerの本音を言うと、「Do not make an excuse! Do your best!」なのです。この言い訳言葉が出そうになっても、グッと飲み込んでプレゼンを始めましょう。

 

2つめの「ジョーク」に関して。あなたがもし英語プレゼンにとても慣れていて、何の不安もないなら、ジョークから始めるのはいい潤滑油になります。ただし、ほとんどの日本人は、そんなに余裕はないはず。ジョークを言うことにエネルギーを使う代わりに、本当に大事なことに全力を傾けた方が賢明です。ビジネスプレゼンの一番の目的は、相手を笑わせることでしょうか? 違うはずです。聞き手に納得してもらい、かつ満足してもらうことですよね。その大前提は、内容・ロジック・熱意がしっかりと聞き手に伝わることなのです。そこに全エネルギーを注ぐのがノンネイティブ・プレゼンの成功の秘訣です。

 

3つめの「スライドに一杯書いてそれを読み上げる」やり方について。これも日本人がやりがちな間違いです。聞き手は、たくさんの字を読みながら、あなたの話を聞けるほど器用ではありません。がんばって、シンプルに図解しましょう。「スライドに字があまり書かれていないと話すことを忘れてパニックになるかも」という不安はよくわかります。だからこそ、リハーサル・練習するのです。Practice makes perfect(練習は嘘をつかない)!

 

4つめの笑顔について。これは、日本人が頻繁にEnglish Speakerから指摘を受けるデリバリー(話し方)スキルの1つです。ビジネスにおいて、笑顔は「楽しい」と言う意味ではありません。「相手に対する敬意を表しているサイン」なのです。笑顔がないと、少し懐疑的・否定的な聞き手があなたのニュアンス間違って取ってしまうリスクが上がるのです。例えば「熱意を感じさせないプレゼンだな」「そのつっけんどんな言い方はないだろう!」という言う風に。そのリスクを冒さないために頑張って笑顔をつくり、敬意・誠意を伝えましょう。

 

上記でお話したように、日本語と英語のプレゼンはかなり常識が違います。ぜひ正しく英語プレゼンの「Do’s & Don’ts」を理解して、プレゼンに臨んでください。

 

nishino西野 浩輝(にしの ひろき)

マーキュリッチ株式会社代表取締役・チーフ講師。
プレゼンテーション(日本語・英語)や交渉術、リーダーシップなどのコミュニケーションが専門領域で、年間150日以上の研修を行う。著書は12冊。グローバル人材育成にも注力しており、シンガポールで定期的に研修を行っている。

ウェブサイト:www.mercurich.com

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.274(2015年02月02日発行)」に掲載されたものです。

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