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2011年3月11日

20年までに、インドでのシェアトップを目指す・他

20年までに、インドでのシェアトップを目指す

東洋経済オンラインの記事「インド合弁解消で見たホンダ2輪戦略の凄み」(2011年2月3日付)は、昨年12月にホンダが発表したヒーローとの合弁解消について。インドの2輪車市場は、2010年に販売台数が初めて1000万台を突破しています。20年には2500万~3000万台市場に成長する、との見方も。安価なコピー製品が横行する中国とは異なり、メーカーには安定的な利益も出しやすい市場です。

合弁企業のヒーローホンダは1984年設立で、インドで4割以上のシェアがあり、市場で半分以上のシェアを占める排気量100ccクラスの低価格モーターサイクルを得意としています。ホンダは99年、単独で全額出資の2輪子会社(HMSI)を設立しましたが、HMSIはスクーター中心という形ですみ分けてきました。10年3月期のヒーローホンダの最終利益は223億ルピーで、持ち分法とはいえ、ホンダの利益を100億円以上押し上げました。また、ホンダには販売台数に応じたロイヤルティや配当も入ります。

合弁解消はむしろヒーロー側の事情で、26年間に及ぶ合弁でノウハウも獲得したため、14年に迫るホンダとの技術供与契約の更新を待たず、独り立ちを選びました。今後ヒーローは独自ブランドを立ち上げ、ホンダにとっては強力なライバルとなります。一方ホンダは、インドでの現地調達率がほぼ100%で、コスト競争では負けない自信を持っています。HMSIはデリー郊外に生産能力155万台の工場を有しますが、現在第2工場を建設中で一気に120万台分の能力を拡充します。また、今後は100ccのモーターサイクルを自社ブランドで手掛けるなど、開発体制も強化します。課題の販売網構築には、4月に新組織を立ち上げる計画です。

ホンダの2輪車戦略は、現地化の枠を飛び越え、最もコストの安い国で生産し、世界で販売する戦略に移っており、インドには世界の供給拠点としての役割を期待しています。ホンダは、ヒーローからのロイヤルティがある間にHMSIの能力を増強し、少なくとも20年までに、インドでのシェアトップを目指す方針です。

ゲイやレズビアンにとって、インドが人気の旅行先

インドチャネル2011年2月2日付の記事「ゲイ専門の旅行代理店が大繁盛」は、近年、ゲイやレズビアンなどのツーリストにとってインドが人気の旅行先となっていることを受け、世界中のホモセクシュアル専門旅行代理店がプロモーションに乗り出しているようだ、というものでした。

LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字を取った総称)専門旅行会社が、エキゾチックで豊かな文化や歴史を持つインドを積極的に紹介しています。世界統計によるとLGBTツーリストは全旅行者数の6%を占め、旅行を好む傾向と、自由に使える可処分所得の高さから、市場としては大いに魅力的だということです。

インドでは、2009年、デリー高裁が自由な形の恋愛を犯罪とはみなさないという判決を出しています。前述の担当者は、「以前は、LGBTツーリストはタイやマレーシアなどの東南アジアに向かっていましたが、インド国内でのカップルの旅行が前述のように法的に問題ないとされた時点で、新たなトレンドが生まれつつある」ということです。ロンドンやウィーンといった世界的な観光都市では、旅行代理店がLGBTツーリストの誘致に躍起になっているそうです。

インド国内でゲイ専門の旅行会社インディアピンクを経営するサンジャイ・マルホトラ氏も「2008年10月に設立以来、毎年100%以上の成長を遂げている」と言います。ファッションデザイナーでもあるマルホトラ氏は設立以来、主に米国や欧州、果ては南米からの外国人旅行者を300組ほど迎えています。一組あたり1泊260ドルから350ドルの料金で旅行のトータルコーディネートを行っているということです。同氏は、「インドにはゲイのコミュニティもあり、大きな関心を呼んでいる」と言います。

そしてまもなく、レズビアン向けのサービスも導入するということです。

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土肥克彦(有限会社アイジェイシー

福岡県出身。九州大学工学部卒業後、川崎製鉄入社。東京本社勤務時代にインドでのソフト開発に携わる。2004年に有限会社アイジェイシーを設立し、インド関連ビジネス・サポートやコンサルティング・サービス等で日印間のビジネスの架け橋として活躍している。また、メールマガジン「インドの今を知る!一歩先読むビジネスのヒント!」を発行、インドに興味のある企業や個人を対象に日々インド情報を発信中。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.184(2011年03月11日発行)」に掲載されたものです。

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