シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOPインドの中小企業で、クラウドの導入が加速・他

2012年4月2日

インドの中小企業で、クラウドの導入が加速・他

インドの中小企業で、クラウドの導入が加速

2012年2月23日付gihyo.jpの記事「インドのSMB(中小企業)向けクラウドの成長には、品質とアフターサービスが重要」によると、株式会社グローバル・インフォメーションがアクセス・マーケッツ・インター ナショナル・パートナーズ発行の報告書「2011-12 India Cloud Partner Transformation Report(インドのクラウドパートナー転換市場:2011年〜2012年)」の販売を開始しました。その報告書の中で、インドの中小企業(Small and Medium-sized Business/SMB、従業員数が999人までの企業)におけるクラウドサービスへの需要の増加を伝えています。

こうした状況において、製品/サービス・ポートフォリオのひとつとして、クラウドソリューションを提供しているチャネルパートナーの数は順調に増加しています。インドにおけるSMBチャネルパートナーの総数は、ここ1年の間に10%近く増加した一方で、クラウドチャネルパートナーの数はおよそ35%増加しています。つまり、クラウドソリューションを提供するインドのパートナー数は、著しく変化していることになります。

典型的なインドのクラウドチャネルパートナーのうち、SMBに焦点を当てた企業の事業経験はおよそ10年足らずで、多くはここ2〜3年の間にクラウドサービスを事業内容に追加したに過ぎません。クラウドソリューションを提供するチャネルパートナーには、収益が大きく成長すると楽観的に期待する傾向があります。

インドのSMB顧客の中でクラウドの導入が加速する主な要因には、ソリューションの品質やアフターサービスが挙げられます。遠隔管理ITサービス(RMITS)は最も一般的なクラウドサービスで、パートナーにとっては少ない投資で済みます。また一般的なクラウドサービスとして、ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)があります。

現在チャネルパートナーがクラウドソリューションを提供している2大産業は、金融および専門事業サービスです。

 

 

リバース・イノベーションの流れはインドに恩恵をもたらす

2ARC Advisory Groupの記事「インドから発信する『 リバース・イノベーション』」(2012年3月1日付)によると、インドをはじめとする開発途上国の購買力が上昇するにつれ、各国企業の市場戦略はもはや、欧米、日本といった成熟した先進諸国に限定されず、BRICS 諸国、中東、アフリカの新興国の開拓に集中してきています。新興国で成功するための製品開発を見直す中で、「リバース・イノベーション(reverse innovation)」を戦略的に採用する動きが顕在化してきているのです。

新興国の購買力が上昇してきたとはいえ、先進国の所得レベルとは、依然として格差があります。従来、製造業企業は、新製品をまず成熟市場向けに開発し、同様の製品の機能を間引いて低価格品に作り直す仕方で、インドのような新興国市場向けに展開する方式が定着していました。

しかしこの方式は、もともとインドの需要を対象として開発したものではないため、新興市場の可能性を汲み取るには不十分でした。1人当たりの購買力が相対的に低い新興国の需要をつかむには、新興国における要求、需要の理解から出発し、製品開発に反映させなければなりません。さらにその成功をベースに、先進国を含む世界市場のニーズに対応する製品展開を準備することです。この「リバース・イノベーション」の概念をこれまで成功させたのは、携帯型超音波器を開発したゼネラルエレクトリック(GE)など限られた企業だけでした。このGEに追従してTATA Motors は、TATA Nano の上位バージョンとしてTATA Europa を展開する準備に入っています。

「リバース・イノベーション」の概念は、先進国と開発途上国の両市場におけるコスト効率の高い製品開発ソリューションとして注目されるようになっています。リバース・イノベーションは、多国籍企業が低価格の製品を開発するための投資を拡大するなど業界活動を刺激するとともに、インドの工業系企業での雇用機会が増大するなど、インドに多くの恩恵をもたらします。

スクリーンショット 2015-07-01 20.12.58

土肥克彦(有限会社アイジェイシー

福岡県出身。九州大学工学部卒業後、川崎製鉄入社。東京本社勤務時代にインドでのソフト開発に携わる。2004年に有限会社アイジェイシーを設立し、インド関連ビジネス・サポートやコンサルティング・サービス等で日印間のビジネスの架け橋として活躍している。また、メールマガジン「インドの今を知る!一歩先読むビジネスのヒント!」を発行、インドに興味のある企業や個人を対象に日々インド情報を発信中。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.209(2012年04月02日発行)」に掲載されたものです。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOPインドの中小企業で、クラウドの導入が加速・他